働き方改革にパワハラ防止対策義務化・・・今、就業規則を見直すべき理由
労務


ここ数日、SHARESに寄せられるお見積りご依頼には、「就業規則作成・見直し」に関わるものがぐんと数を増してきています。すでに始まっている働き方改革に、今後予定されているパワハラ防止対策義務化等、企業における労務管理上の検討事項は多岐に渡ります。
もちろん、就業規則作成については労務管理の専門家である社会保険労務士にお任せいただくのが得策ですが、改定項目についてはあらかじめ現場の方針をまとめておくとスムーズです。

今号では、働き方改革・パワハラ防止関連の就業規則改定ポイント3つを解説しましょう。

この記事の目次

就業規則改定ポイント① 年次有給休暇

既にご存じの通り、2019年4月1日以降、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、使用者は付与日から1年以内に5日取得させなければならない旨が法に定められました。これを受け、有休取得が進まぬ労働者に対し使用者が有給取得促進を行う可能性がある場合、所定の内容を就業規則に盛り込んでおく必要があります。
使用者であれば、進まぬ年次有給休暇取得への対応としてどんな制度を活用すべきか、現場の状況を十分に考慮の上、検討しなければなりません。

使用者による時季指定

使用者による時季指定導入に伴い、規定すべき内容は「時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法」であり、厚生労働省では下記の規定例を公開しています。

出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」

計画的付与制度

また、有給休暇取得促進のための施策としては、前述の時季指定とは異なる制度として「年次有給休暇の計画的付与制度」があります。計画的付与制度を導入する際は、労働者代表との間で労使協定を結び、なおかつ就業規則にもその旨を規定しておきます。

▢ 就業規則への規程例

出典:厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」

就業規則改定ポイント② 諸手当

働き方改革対応として、中小企業がこれから検討すべきは「同一労働同一賃金」に関わる各種の取決めです。派遣労働者への同一労働同一賃金は企業規模を問わず2020年4月1日よりスタートしますが、契約社員やパートアルバイトへの対応は中小企業では2021年4月1日からの適用となります。
とはいえ、2020年中に就業規則作成・見直しを行うのであれば、この機会に対応を検討しておくのが得策です。

同一労働同一賃金の実現に向けて検討すべきポイント、現場における手順については、厚生労働省のガイドラインよりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「同一労働同一賃金」

「基本給」や「諸手当」について、単に雇用形態の別のみで不合理な差をつけていないでしょうか?福利厚生や教育訓練についてはいかがでしょうか?待遇差については一つひとつ合理的な理由を挙げて説明ができる様、見直しておく必要があります。

就業規則改定ポイント③ パワーハラスメント

大企業では2020年6月1日、中小企業では2022年4月1日より、職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが使用者の義務となります。同一労働同一賃金同様、中小企業への適用はまだ少し先となりますが、ぜひ今から体制作りに目を向けていくことをお勧めします。 就業規則に規定すべきポイントは下記の3点です。

組織のトップが職場のパワーハラスメントをなくしていく態度を明確にすること
(「禁止」の明記。セクハラ等の各種ハラスメントについても同様)



パワハラ被害を相談、もしくは事実関係の確認に協力した労働者に対し不利益取り扱いをしないこと



パワハラが懲戒処分の対象となること
(「懲戒の事由」に盛り込み、けん責、減給または出勤停止、特に悪質な場合には普通解雇や懲戒解雇の対象となる旨も記載)



併せて、政府の指針では、パワハラ関連の「相談窓口の設置および体制の整備」について、使用者が責任をも って取り組まなければならないとされています。相談窓口や相談応対の体制に関わる事項は、就業規則に盛り込むのがベストですが、別途規程やマニュアルを作成し周知徹底する方法でも問題ありません。
パワハラ対策導入の際には、下記よりダウンロード可能なマニュアルが参考になります。

参考:厚生労働省「あかるい職場応援団_ハラスメント関係資料ダウンロード」

まとめ

「従業員が増えてきたし、そろそろ作成しなければ」「法改正があったので、見直さなければ」と思いながらも、つい後手に回りがちな就業規則の整備。今まさに働き方改革真っ只中ですが、御社ではしっかり対応できているでしょうか?

就業規則作成・改定に伴い現場で検討すべき点は多岐に渡り、これをすべて自社内で行おうとするとなかなか大変です。社会保険労務士が、今必要な改定事項の抽出、対応の検討、就業規則への規定を一貫してサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

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