あっせんを使って労使トラブルを解決しよう!あっせんの使い方から注意事項まで。
労務


事業主と労働者の間でトラブルになった場合、お互いの話し合いだけでは決着がつかないことがあります。その際に第三者を入れて、客観的な観点から落としどころを見つけるというのは有効な方法ではないでしょうか。

労働局では、労使の間に弁護士や社会保険労務士といった専門家を間に入れ、双方の意見を聞いたうえで解決案を提示するあっせんという仕組みを用意しています。弁護士を個別に入れると費用がかかりますが、こちらは無料で利用できます。

あっせんは労働者側からはもちろん、事業主側からも申し入れをすることが可能です。労使トラブルを抱えている方はぜひ利用を検討されてみてください。

この記事の目次

1.まずは会社が管轄する労働基準監督署の「総合労働相談センター」へ。

労使トラブルで第三者を入れたいと思ったら、ご自身の会社の地域を管轄する労働基準監督署を訪れてください。その中にある「総合労働相談センター」でトラブルのご相談を受けることができます。

総合労働相談センターでは、労働に関する情報や判例などが相談者に提示されたうえで、紛争解決の助言を行います。助言だけで解決せず、相手方へのアクションが必要となる場合、
紛争の解決方法として、以下の方法があります。

① 助言・指導の申出
② あっせんの申請


①を選択すると、都道府県の労働局から、相手方に助言・指導が行われます。助言・指導は申し出後の数週間で行われますので、あっせんや裁判に比べると早くアクションができるのがメリットです。

一方で、助言・指導に対する拘束力はないので、相手方がその通りに動いてくれるという保証はありません。

2.あっせんで双方の意見を調整する

助言・指導で効果が無い場合、希望に応じてあっせんの仕組みを使うことになります。助言・指導を飛ばしてあっせんを選択することも可能です。 ただし、あっせん後に助言・指導を求めることはできません。

あっせんを選択すると、あっせんの開始通知が労働局から双方に送られます。参加か不参加かを選択することになります。

双方が参加を選択した場合、あっせん日の日程調整が行われます。労使双方と対応する紛争調整委員会の専門家がそれぞれ調整することになるので、申出をしてから1ヶ月~3ヶ月先が指定されるのが一般的です。

あっせん当日はお互いに顔を合わせて話し合うのではなく、双方が別室に待機し、それぞれが呼ばれた時に専門家に主張を伝えることになります。時間は状況によりますが、1人あたり2時間程度と見ておいてください。当日は代理人を同席させることはできますが、事情を一番把握されているご本人の同席が望まれます。

紛争調整委員会は双方の主張を聞いたうえで、あっせん案を提示することになります。専門家による客観性の高い案なので、信頼できるものと思われます。 これを双方が受け入れることができれば、合意書を交わしてトラブルが解決するということになります。

あっせんを受けるか否かは任意なので、相手方があっせんを拒否する可能性もあります。また、あっせん案をどちらかが受け入れられない、ということになると、あっせんは不調で終わります。労働局のあっせんは一回限りとなっていますので、再度行うことはできません。 この場合は、他の調整機関を使うか、司法の判断を仰ぐことになります。

3.あっせんを行う際に注意を行うこと

労働局のあっせんは1回限りなので、限られた時間を有効に使う、ということが大事です。そのためには、事実関係を事前に整理しておきましょう。

まずは相手方の何が問題なのか。口頭で説明を行うと、事実と推測が混じるというのは、相談を受ける側としてはよくある話です。今、自分が話している不満が事実に対するものなのか、推測に対するものなのか、冷静でないと意外と自分では判断しづらいものなのです。

そして時系列で事実のみを並べます。紙に書き出しておくことをお勧めします。推測の部分は口頭で補足するか、事実とは分けて書き出します。

また、トラブルに関する事項はあっせんを行う前に、相手と話し合いをしておきます。話し合いの結果はお互い合意のもと、書面に残しておきましょう。あっせん前のご相談では、トラブルとなっている件について、実は相手と話すらしていないというケースは意外と多いのです。相手が話し合いに応じない場合は、「相手に話し合いを求めたが、応じなかった」ということを書面で残します。言った言わないにならないように、書面など残る形で通知をすることが大事です。

このようなことができていないと、あっせんが始まってから新しい事実が出てきて、その精査・対応に時間が取られることになりかねません。準備に時間をかけることが、限られた時間の中で最大の効果を生むのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
労使間のトラブルが起きた場合、労働局のあっせんを解決方法の選択肢の一つとしておきましょう。あっせんを実際に行う場合は、準備に時間をかけて、ベストを尽くせるようにしておいてください。

あっせんの前には事実を整理して、客観的に何が問題なのかわかりやすくしておくことが大事です。そのお手伝いができるのが社会保険労務士ということになるでしょう。ぜひお気軽にご相談ください。

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