新型コロナウイルス感染症対応として、雇用保険被保険者以外も対象となる「緊急特定地域特別雇用安定助成金」概要
労務


連日、新型コロナウイルス感染症に関わるニュースが後を絶たず、報道からは、国内での感染が着実に広がりをみせているように感じられます。そんな中、感染症対応としてすでに特例措置が講じられている雇用調整助成金については、緊急特定地域(※)に対するさらなる特例拡大の概要が公開されました。
現状、対象は北海道のみですが、今後の状況によっては地域が広がる可能性がありますので、あらかじめ内容を確認しておきましょう。

※緊急特定地域の指定要件
・感染症患者が、他の地域に比べ一定数以上かつ集中的に発生(10万人当たり患者数が全国平均より相当程度高く、大幅な増加が懸念されること(感染者数の増加率やクラスターの存在))
・感染拡大防止のために、自治体の長が一定期間について住民・企業への活動の自粛を要請する旨の宣言を発出していること

この記事の目次

まずは「雇用調整助成金」の基本を復習

今号で解説する『緊急特定地域特別雇用安定助成金』は、従来の雇用調整助成金に特例措置が講じられたものです。

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するために一時的な休業や出向、教育訓練を行う際の経費を一部助成する制度です。

「経済上の理由」とは、景気の変動や産業構造の変化等が挙げられますが、今般の新型コロナウイルス感染症に影響を受ける事業主も対象となり、すでに特例的な取り扱いが講じられています。

参考:「要確認!3月中旬から適用される、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の追加特例措置」

このたび公開された緊急特定地域特別雇用安定助成金は、現状、「北海道に所在する事業所の事業主」に対し、「2020年2月28日から2020年4月2日までの期間にある休業」に適用するものです。ただし、対象地域や期間は、今後の感染拡大状況に応じて変わる可能性があります。

緊急特定地域特別雇用安定助成金の特例措置① 「生産指標要件」の撤廃

通常、雇用調整助成金では、所定の「生産指標要件」を満たすことが支給要件のひとつとされていますが、緊急特定地域では特例的に「生産指標要件を満たすもの」として取り扱われます。

助成金申請時の生産指標は原則、「売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3ヵ月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること」が要件となっていますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主に対しては、「最近1ヵ月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること」に緩和されています。
この点、緊急特定地域特別雇用安定助成金では、事実上要件が撤廃されることになります。

緊急特定地域特別雇用安定助成金の特例措置② 雇用保険被保険者以外も対象に

緊急特定地域特別雇用安定助成金では、通常、支給対象外とされている20時間未満の労働者(雇用保険被保険者でない者)の休業も対象とされます。
これにより、正規のみならず、非正規雇用の労働者が幅広く助成金の対象となることになります。

緊急特定地域特別雇用安定助成金の特例措置③ 助成率を拡充[4/5(中小企業) 2/3(大企業)]

通常の雇用調整助成金の助成率は、対象労働者1人1日あたり8,335円を上限として、事業主負担額の2/3(中小企業)または1/2(大企業)です。この点、緊急特定地域特別雇用安定助成金では、上限金額はそのままに、助成率を4/5(中小企業)または2/3(大企業)に上げて対応することとなりました。

その他、要領や様式などの緊急特定地域特別雇用安定助成金詳細は、下記よりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「雇用調整助成金の特例」

まとめ

引き続き、予断を許さない新型コロナウイルス感染症の感染拡大。
北海道のみならず、いつどの地域が緊急特定地域に指定されてもおかしくない状況が続く中、活用可能な支援に関わる情報収集は欠かさず行ってまいりましょう。併せて、労務管理の専門家である社会保険労務士のご活用も効果的です。

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