令和2年4月分給与から、65歳以上でも雇用保険料控除の対象になります!
労務


コロナ騒ぎでそんな気分にもなれないかもしれませんが、社会保険、労働保険関係は年度で切り替わることがあります。

今回解説する「高年齢者への雇用保険料徴収」もその一つになります。4月分の給与から控除することになりますので、給与計算や社会保険事務を担当されている方はぜひ押さえていただきたいところです。

この記事の目次

1.そもそも、雇用保険とは、雇用保険の対象者とは。

まずは、基本を確認しておきましょう。雇用保険とは、政府が管掌する保険制度の一つで、労働者が失業した場合や、労働者に雇用の継続できないような事由が生じた場合に、生活や雇用の安定と就職の促進のために失業給付などを支給する仕組みを指します。

対象者は1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者とされています。

実は、平成28年まではここに「65歳未満」という要件がありました(高年齢継続被保険者の場合を除く)。平成29年からこの高年齢継続被保険者が廃止され、65歳以上でも雇用保険に加入する仕組みに変更されています。

2.2年間の猶予が終了、高年齢者も雇用保険料徴収の対象になります。

65歳以上でも雇用保険に加入することになったものの、同時に「平成31年度までは高年齢者(その年度に65歳になる者)は雇用保険料の徴収が免除」とされていました。そのため、対象者から見ると、雇用保険に入っているという実感がありませんでした。

この免除期間が終了となり、一般的な社員と同様に、令和2年4月1日以降の給与から、65歳以上でも雇用保険料を徴収することになります。

ここで「4月1日以降」とは、労働期間の対象を指します。前月末日以前までの給与を当月支給している会社の場合、4月に支給される給与は3月分ということになりますので、実際に高年齢者から雇用保険料を徴収するのは5月支給分から、ということになります。賃金支給日ではなく賃金期間の締切日が4月1日以降かどうかで判断をしてください。

3.会社として行っておくべきこと

対象者のいる会社では、まず対象者が雇用保険の被保険者になっているかどうか、見直してください。特に平成29年以降に入社した65歳以上の場合で、年齢を理由に雇用保険被保険者資格取得届を提出し忘れている可能性があります。

次に給与システムの設定の確認です。対象者の雇用保険の加入者区分をチェックしましょう。雇用保険を徴収しないという理由で「未加入」になっていると、4月分給与以降も自動で徴収されません。週20時間以上働いている社員は、年齢にかかわらず「加入」に変更しておきます。給与計算後は正しく雇用保険料が控除されているかをチェックすることは言うまでもありません。(令和2年度の雇用保険料率は4月以降に発表予定です。)

また、対象者には4月分給与以降、雇用保険料が徴収されることを事前に伝えておきましょう。また、これを機会に、雇用保険を支払うことでどんな手当を受給できるのか、ハローワークが無料で出している資料を参考にご説明をする機会を得てはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
既に平成29年から65歳以上の高年齢者も雇用保険の被保険者ということになっています。4月分給与から雇用保険料を徴収しますので、適用やシステムのチェックを行い、対象者への説明を行ってください。

高年齢者を雇用保険の対象にする背景には、高年齢になっても働いてほしい、という国の政策の表れでもあります。今後も在職老齢年金の見直しなど、高年齢者が安心して働ける政策が打ち出されるものと思われます。特に65歳以上の従業員を抱える会社のご担当者の方は、今後の労働ニュースに注目してみてください。

ご質問やご相談は、管轄のハローワークやお近くの社会保険労務士にご相談をすることをお勧めいたします。

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