雇用調整助成金の計画から支給までの申請の流れについて、手続きの簡素化措置も踏まえて解説します。
労務


コロナウィルスの感染拡大により、企業のダメージは大きく、中には休業を余儀無くされている会社もあります。
従業員に休業手当の支給を行うことで、休業手当相当額の9/10が得られる「雇用調整助成金」がここにきて注目されていますが、一方でその手続きの煩雑さが問題となっていました。

4月10日に、この手続きの簡素化措置が取られております。今回はその簡素化の解説と、それを踏まえての支給までの流れについて、解説をさせていただきます。
なお、休業協定書のフォーマットについてはこちら。(愛知労働局のものですが、どの地方でも使えます。)

各種申請書はこちら
以下の内容は全容を掴んでいただくために要点を抜粋して記入しています。同助成金の詳細については、こちらをご参照ください。

この記事の目次

1.まずは休業協定書を結ぶ。委任状は不要に。

この助成金を受けるにあたって、まず行うことは、休業協定書を労使で結ぶことです。この協定では、休業の期間、対象者、休業手当の支給率(60%以上)などを労使で話し合い、事業主代表と労働者代表とでそれぞれ記名・押印をして締結します。 上記リンクのものを参考にしてください。

今回の簡素化措置では、労働者代表を選ぶ際に添付する「委任状」が不要となりました。委任状は従業員の過半数以上の記名・押印が必要で、既に自宅待機状態の会社では、それを収集する手間がかかるものでした。その手間が省けることは、申請にあたって大きな前進と言えるでしょう。

2.計画届を作成して休業に入る。今回の特例では、計画届の後出しもOK。

次に休業等実施計画(変更)届を作成します。先に作った休業協定書と合う形で、どの対象者にどれくらいの休業をさせるのか、ということを記入します。

以前、このフォーマットは月毎にどの日を休業させるのか日単位で計画を立てる必要がありました。今回の簡素化措置で、休業日などの合計日数を記載すれば良いことになりました。こちらは特にシフト制を組んでいるような会社では、資料作成の大きな工数減となっています。

これまでは、計画届の提出後に休業させることが要件でしたが、コロナ特例で、計画届提出前に休業させても良いことになりました。なので、休業については速やかに実施していただいても結構ですし、これまで既に休業させていた場合でも対象になります。ただし、計画届の事後提出は1回限りですので、申請を2回以上に分ける場合は、2回目以降の計画届は休業前に提出してください。

計画届の提出時に、売上指標が昨年の同月と比べて5%以上下がっていることを示す必要があります。比較対象は「計画を実際に届出する月」の前月です。5月に4月以降の休業について計画届を提出する場合、前年4月と今年4月の売上指標で比較します。休業を始める月が基準ではありませんので、ご注意ください。

3.支給対象期間終了日の翌日から2ヶ月以内に支給申請書を提出する。

原則として賃金期間と重なる判定基礎期間(2~3の連続した判定基礎期間でも可)の翌日から支給申請期間となります。誰を何日休ませたか、という情報と同時に、賃金台帳、出勤簿(タイムカードなど)、就業規則(または雇用契約書など、所定労働時間などが確認できるもの)が添付書類として必要になります。

つまり、会社として当然に備え付けているべきものがあるかどうか、ここで試されているとも言えるでしょう。もちろん、これらの書類と、実際の申請書の間の整合性が取れているかどうか、というのが支給申請時のチェックポイントとなります。
これらの書類がそろっていない、という会社では、早急に揃えることが原則となります。
(ただし、現在あるもので認められる可能性もあります。早急に作ることが不可であってもご相談はした方が良いでしょう。)

支給申請が通ると、だいたい1~2ヶ月で入金されると思われます。ただし、この助成金の扱いが急増している中で、どれだけのコミットができるかどうかは不透明な状況です。同助成金を資金繰りとしてあてにするのは危険であることもご承知いただきたいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
同助成金は、現在問い合わせが急増しています。これまで助成金に手をつけてこなかった会社でも検討せざるを得ない状況になっています。

今回は、計画から申請までの流れについて、全体感を把握するためにご説明をさせていただきました。より詳細なことについては、こちらのHPもご確認ください。

同助成金の情報は日に日に新しいものが発表されておりますので、報道や社労士の情報発信にも注目していただきたいと思います。ご相談はお近くのハローワークか、社会保険労務士にお問合せください。

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