ほったらかし厳禁 ! 今一度確認したい「36協定(時間外・休日労働に関する協定届)」
労務


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1月も下旬にさしかかると、企業ではそろそろ年度末を意識しだす頃かもしれません。何かと慌ただしい時期ではありますが、日々取り組むべきことを着実に進めてまいりましょう。

ところで、皆さんの会社では「36協定」の締結・届出をしているでしょうか?

事業主の方にこのように伺うと、「当然、とっくに済ませているよ!」という自信満々の声が返ってくることが多いのですが、一方で「毎年更新はされているでしょうか?」という問いには意外とハッとされる方が多いように思います。

36協定は、「一度届け出ればそれで良し」というものではありません。有効期限を年度末に設定している会社は、そろそろ更新を視野に入れ、今一度従業員の残業や休日出勤の状況の見直しをされることをお勧めします。

労働時間が「1日8時間、1週40時間」を超過する場合、会社規模にかかわらず締結が必要


そもそも36協定とは、法定労働時間(原則「1日8時間、1週40時間」)を超えて、又は休日に従業員を働かせる事業所において、あらかじめ労使協定を締結し、その旨を所轄労働基準監督署長に届け出ることで、罰則の適用から外しましょうという趣旨の協定です。

届け出の詳細は下記で紹介されているのでご一読いただければと思いますが、ここでは注意すべき点をいくつか挙げておくことにいたしましょう。

参照:東京労働局『時間外・休日労働に関する協定届(36協定)』
※こちらより様式をダウンロードできます

参照:東京労働局『時間外労働・休日労働に関する協定届 労使協定締結と届出の手引』

締結は原則「事業所単位」


支店や営業所等を有する場合には、それぞれの場所で所轄労働基準監督署への届出が必要になります。ただし、本社と各事業所で協定の内容が同一の場合、例外的に本社一括で届け出をすることも可能です。
参照:厚生労働省『就業規則・36協定の本社一括届出について』

36協定を締結しさえすれば、何時間でも残業させて良いわけではない


36協定で定めることのできる労働時間の延長の限度については、「時間外労働の限度に関する基準(平成 10 年労働省告示第 154 号)」で明確に定められており、協定の内容はこの基準に合うようになっていなければなりません。
参照:厚生労働省『時間外労働の限度に関する基準』

ただし、この上限には特例措置があります。特別な事情により、やむを得ず上限を超えた時間外労働の延長が見込まれる場合、あらかじめ「特別条項」を付けておくことが可能となっています。ただし、この例外はあくまで「一時的・突発的」に生じた事由に限ったものであり、「年間で6ヵ月までしか認められない」ことを覚えておきましょう。
参照:東京労働局『時間外労働・休日労働に関する協定届 労使協定締結と届出の手引』(4ページ目「(4)特別条項付き協定について」)


「1日について延長できる時間」に定めはない


→ ところで、「時間外労働の限度に関する基準」には1週間、2週間、4週間、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、1年間の延長時間の上限しか記載されていないにも関わらず、36協定のフォーマットには「1日について延長させることができる時間」を記載しなければなりません。この欄の記載については、よくご質問を受けるポイントです。

結論からいえば、この欄に何時間と記載しようが問題ありません。事業所において、想定される勤務状況に沿った内容で記載するのが正解です(ただし、毎日長時間労働を強いて、「時間外労働の限度に関する基準」にある3ヵ月、1年間の上限を超えることは違法です)。実際には、「1日5時間」とする会社が多いようです。

ちなみに、36協定は従業員数に関わらず締結すべきものです。基本的には、一人でも雇用していて、法定労働時間を超えて労働させる場合には届けておく必要があります。また、36協定を締結していれば割増賃金を免除される、といった趣旨の届出ではありませんのでご注意ください。

36協定には有効期限あり!更新し忘れにご注意ください


冒頭でも触れましたが、36協定には有効期限の設定があります。東京労働局『時間外労働・休日労働に関する協定届 労使協定締結と届出の手引』によると、

「36 協定の有効期間については、時間外労働の協定においては必ず 1 年間についての延長時間を定めなければならないことから、短い場合でも 1 年間となります。また、定期的に見直しを行う必要が考えられることから、有効期間は 1 年とするのが望ましいものです。」

とあることから、通常は1年で更新を迎える会社がほとんどとなっています。一般的には、年度末を有効期限とするケースが多いようなので、そろそろ意識し始めてくださいね。そしてこの更新手続きは、面倒であっても機械的に処理するのではなく、従業員の勤務実態を改めて見直す良い機会としていただけると良いかと思います。

会社によっては、労使協定上、この36協定を自動更新とする旨を定めている場合もあるでしょうが、その場合にも「異議の申し出がなかった事実を証明する書類」の提出が必要になりますので、忘れないようにしましょう。

今一度、御社の36協定届をご確認ください。「うっかり年度末で有効期限が切れていた・・・」というケースがあれば、お早めに社会保険労務士までご相談くださいね!

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