休業手当が受け取れない!雇用調整助成金におけるパートアルバイト、業務委託、労災未加入のケースを解説。
労務


緊急事態宣言は5月末時点でいったん解除されておりますが、コロナ禍がおさまったわけでもなく、相変わらず雇用調整助成金のご相談が増えています。特にご相談が多いのは、休業手当を受け取れない方からのご相談です。

従業員の立場から見れば、どこからでも良いから休業の補償を受け取りたい、というところです。しかし、国から支給される雇用調整助成金は、休業手当を従業員に支払った事業主に出るものです。従業員は事業主から休業手当を受け取ることが原則になります。

しかし、この休業手当はどんな時でも事業主が労働者に支給しなければいけない、というものでもないため、最終的には事業主と労働者との話し合いで、その支給の有無や金額が決定されることになります。

※参考:
「緊急事態宣言下において、社員の、アルバイトの休業手当はどうなるのか。」

ここでは、その中でも休業手当をもらえない、という問い合わせが多い労働者がいる会社でどのように対応すべきか、という点について解説したいと思います。

この記事の目次

1.シフト制で働いているアルバイト、パート

一番問い合わせで多いのはパート・アルバイトでシフトが無くなって、給与がもらえなくなった、というケースです。

まず上記リンクで示されている通り、その休業が「事業主の責」であれば、休業手当の支給は事業主の義務となります。一口にパート・アルバイトと言っても、シフトが無くなった理由は変わりますので、それが「事業主の責」なのか、休業手当の支払い義務の無い「不可抗力」なのか、労働者と事業主の間でよく話し合いをしてください。
その中で、休業手当の支給を検討しましょう。シフトが無くても、直近の3ヶ月のシフトや昨年同月のシフトなど、参考になりそうな実際のシフトを元に休業月でも仮シフトを作成してください。そのシフトで労働したと仮定して、事業主はパート・アルバイトに休業手当を支給します。

その休業手当を支給した事業主は、雇用調整助成金(雇保未加入者は緊急雇用安定助成金)を申請することで、支給した休業手当のほとんどを国から得ることができます。せっかく戦力になっているパート・アルバイトの離職を避けるためには、休業手当の支給は有効な方法になりますので、ぜひ積極的に同助成金を申請していただきたいところです。

2.業務委託契約による業務従事者

会社に雇用されておらず、業務委託契約の中でその業務に従事をしている場合、休業手当の対象でもなく、雇用調整助成金の対象にはなりません。
そもそも業務委託契約であるということは、会社とは対等の関係にある一事業主ということになりますので、事業主として持続化給付金など別の事業補償を受けるのが筋、ということになります。

では、業務委託と雇用の違いは何でしょうか?大きいのは「指揮命令」の有無です。つまり、事業主からあれこれ指示をされて労働しているのであれば雇用です。業務委託であれば、過度な拘束は受けずに自由に仕事ができているはずです。

時には業務委託契約を結びながら、その実態は事業主から仕事のやり方を細かく指示される労働者の性格を帯びている場合があります。先日、スーパーホテル社の支配人が会社を訴えたニュースはこのケースかもしれません。

もちろん、業務委託のメリットもありますので、どちらが良いかというのは一概に言うことはできません。ただし、もしも実態が事実上の雇用というのであれば、これを機会に契約を見直してみてはいかがでしょうか。

3.労災未加入事業所の労働者

雇用調整助成金は労災未加入の事業所は対象になりません。

労災は農業など一部の業種を除き、1人でも短時間でも労働者を加入させていれば加入が必須です。そもそも労災未加入ということは労働者が存在していない、と同義になりますので、当然と言えるでしょう。

では、事業主の怠慢で労災未加入だった場合、労働者としては労災加入をはたらきかけていくしかありません。労働者としては、労働中に事故やケガをした場合に労災が使えないことになりますので、今回のコロナ禍に関係無く、死活問題なのです。

2の業務委託者を雇用のように使うケースも同様ですが、労働者の立場で見た場合、これを機会にその事業主との付き合い方を見直す、つまり離職することも考えるべきでしょう。いざと言う時に当たり前に使えているべきセーフティネットが、第三者の怠慢により自身で使えないということは、自身にとってとてつもないリスクです。それを今回のコロナ禍で証明していることになるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。パート・アルバイトでも休業手当の支給は事業主に訴えかけていただきたいです。業務委託や労災未加入の場合は、まずその関係性から見直してください。

労災保険、雇用保険ともに遡っての加入が認められています。雇用調整助成金(緊急雇用安定助成金)の対象となる可能性が高くなりますので、詳しくはお近くの労働基準監督署、ハローワークにご相談ください。

また、雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金に関するご相談は、お近くのハローワークや社会保険労務士にお問合せをしてみてください。

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