少子高齢化に伴う労働力不足解消に向け、今後、企業における「多様な人材の活用」は不可欠です。その選択肢のひとつに「高齢者雇用」があり、すでに多方面でシニアが活躍中ではありますが、一方で、働く高齢者の労災事故が増加傾向にあることも確かです。
人材活用の手段としてシニア雇用を幅広く視野に入れる上では、まず高齢労働者が安心して働ける環境を整える必要があります。「エイジフレンドリー補助金」を活用し、環境整備を進めましょう。
- 「エイジフレンドリー補助金」 2020年度申請受付が開始
- 新型コロナウイルス感染予防も対象に!「エイジフレンドリー補助金」の補助対象となる改善対策を知る
- 取り組み開始は「交付決定を受けてから」。2020年10月末日までに交付申請を
- まとめ
「エイジフレンドリー補助金」 2020年度申請受付が開始
一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会が実施する「エイジフレンドリー補助金」とは、高齢者の就労環境改善に向けた取り組みに要した経費の「1/2」、「上限100万円(税込)」を補助する制度です。下記の(1)~(3)すべてを満たす事業主が対象となります。
2020年度の申請受付が6月12日より開始され、10月末日までとなっています。
新型コロナウイルス感染予防も対象に!「エイジフレンドリー補助金」の補助対象となる改善対策を知る
「エイジフレンドリー補助金」の補助対象となる職場環境の改善対策は、下記のいずれかに該当する取り組みです。・ 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
・ 働く高齢者の健康や体力の状況の把握等
・ 安全衛生教育
・ その他、働く高齢者のための職場環境の改善対策
また、社会福祉施設、医療保健業、旅館業や飲食店等の接客サービス業等、高齢者が就労する際に感染症予防が特に重要となる職場では、新型コロナウイルス感染予防対策にも活用できます。
リーフレットには、補助金を活用した対策の一例が掲載されています。
取り組み開始は「交付決定を受けてから」。2020年10月末日までに交付申請を
「エイジフレンドリー補助金」の活用を検討される場合、まずは事業所内の課題抽出、必要な取り組みの検討を経て、交付申請をする必要があります。発注や対策の開始は、交付申請後に正式な交付決定を受けてからとなりますので、ご注意ください。交付決定通知書を受けた後、支払や取り組みを開始し、支払日から20日以内に実績報告書及び精算払請求書を一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会宛に提出します。
以上、すべての参考・出典:一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会「令和2年度エイジフレンドリー補助金について」
まとめ
希望する70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする改正高年齢者雇用法が、2021年4月より適用となります。人材不足に悩む業界においては、同法の適用がシニアの積極活用促進のきっかけとなるでしょうが、同時に、現場においては高齢者の就労を可能にする環境作りに目を向けることになります。現状、シニアが働く上で職場環境にどんな課題があるか、必要な対策とは具体的に何か、しっかりと検討しましょう。