雇用調整助成金FAQが2020年6月30日版に更新 「事業主の同居の親族」は対象になる?
労務


首都圏を中心に、再び新型コロナウイルス感染者数が増加傾向に転じています。緊急事態宣言解除後、ようやく経営が回復し始めた企業においても、まだまだ油断できない事態が続きます。緊急事態宣言下で殺到した弊事務所あての雇用調整助成金関連のご相談も、ひと頃と比べて落ち着き始めてはいるものの、依然としてゼロにはならない状況です。

そんな中、雇用調整助成金申請時に参考にしたいFAQが最新版に更新されました。助成金の申請対象となるか、受給の見込みがあるか等、ある程度の把握が可能となる資料ですので、ぜひご確認ください。

この記事の目次

カテゴリごとに見やすくなった「雇用調整助成金FAQ(2020年6月30日現在版)」を確認

最新の雇用調整助成金FAQとなる2020年6月30日現在版は、下記よりご確認いただけます。

参考:厚生労働省「雇用調整助成金FAQ雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)_雇用調整助成金FAQ(令和2年6月30日現在版)」

雇用調整助成金については、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、すでに何度か特例措置が講じられています。これを踏まえ、最新版FAQでは、不要となった項目の削除や2020年6月12日付の特例措置に係る質問の追加が施されています。

また、内容ごとにカテゴリ分けされ、設問分類ごとにPDFが公開されており、より見やすくなった印象です。今回追加された項目は「NEW」の表記で分かりやすくなっています。

よくある質問「事業主の同居親族は助成金の対象になるか?」

雇用調整助成金の申請を検討される事業主様から寄せられるご相談として、特に目立つのが「同居の親族(配偶者や子供等)も対象になるか?」といったご質問です。この点、雇用調整助成金FAQでも回答がございますので、ご確認ください。

Q. 自分(社長)の子どもを他の労働者と同じ条件で雇用しています。 雇用契約書は交わしていませんが助成金の対象になりますか。

A. 個人事業主と同居している親族は、原則支給対象となりません。ただし、就業実態が、雇入時に労働条件を明示した書面、出勤簿、給与簿、給与の支払い実態などによって他の労働者と同様に管理され、事業主と利益を一にする地位にないと確認されれば、雇用保険被保険者となり雇用調整助成金の対象となり得ます。

Q. 申請事業主の同居の親族については、雇調金又は緊安金の対象労働者になり得るか。

A.〇以下のとおり。

<週所定労働時間が20h以上の同居の親族>
①労働者性が認められ、雇用保険被保険者になれる→雇調金の対象者となり得る
②労働者性は認められず、雇用保険被保険者にもなれない→雇調金も緊安金も支給対象外
③労働者性が認められるが、雇用保険被保険者にはなれない(例:学生アルバイト等)→雇調金は対象外だが、緊安金の対象者となり得る

<週所定労働時間が20h未満の同居の親族>
④雇用保険被保険者にはなれないが、労働者性が認められる→雇調金は対象外だが、緊安金の対象となり得る
⑤雇用保険の保険者にもなれず、労働者性も認められない→雇調金も緊安金も支給対象外



原則として「事業主と同居の親族」は雇用保険被保険者とならず、雇用調整助成金の対象ともなりません。ただし、「労働者性」の有無に応じて判断は異なります。労働者性が認められるか否かは、雇用保険上の取扱いに準じて判断することになりますから、まずはハローワークで確認を行いましょう。

なお、雇用調整助成金の対象となるのは「雇用保険の被保険者」ですから、実態に応じて「労働者性あり」となり、雇用保険被保険者となる要件を満たす場合は、まず資格取得手続きが必要となります。
労働者性はあるが、雇用保険被保険者となる要件を満たさない場合は、緊急雇用安定助成金(緊安金)の対象となります。

雇用保険上の「親族の労働者性」に関わる判断材料

事業主の親族(配偶者や子供等)の労働者性の有無、雇用保険上の被保険者となるかどうかは、「雇用保険に関する業務取扱要領」よりご確認いただけます。以下、該当箇所を抜粋します。

《同居の親族》
<個人事業>事業主と同居している親族は、原則として被保険者としない。

<法人>代表者と同居している親族については、通常の被保険者の場合の判断と異なるものではないが、形式的には法人であっても、実質的には代表者の個人事業と同様と認められる場合(例えば、個人事業が税金対策等のためにのみ法人としている場合、株式や出資の全部又は大部分を当該代表者やその親族のみで保有して取締役会や株主総会等がほとんど開催されていないような状況にある場合のように、実質的に法人としての活動が行われていない場合)があり、この場合は、個人事業主と同居の親族の場合と同様、原則として被保険者としない。

なお、同居の親族であっても、次の(イ)~(ハ)の条件を満たすものについては、被保険者として取り扱う。

(イ) 業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること。

(ロ) 就業の実態が当該事業所における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること。特に、
a 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等
b 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期等について、就業規則その他
これに準ずるものに定めるところにより、その管理が他の労働者と同様になされていること。

(ハ) 事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと。

出典:厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(令和2年4月1日以降)」

まとめ

たびたび特例措置が講じられる雇用調整助成金については、何かと分かりづらくなっている部分もあるかと思います。ご不明点に関しましては最新版FAQをご確認いただくと共に、お気軽にSHARES公認社会保険労務士までご相談いただければと思います。

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