労災保険、雇用保険に遡って加入したい!遡及加入の手続きについて解説。
労務


労災保険、雇用保険に遡って加入したい、という事業所が増えています。雇用調整助成金を受給するため、というケースが多いと推測します。

本来的には、短期であろうと短時間であろうと、労働者を雇えば、労災への加入義務が発生します。保険関係が成立した翌日から起算して10日以内に保険関係成立届を提出する、というのが決まりです。また、週20時間以上勤務する労働者を雇う場合は雇用保険への加入も義務となります。こちらも事業所設置の翌日から起算して10日以内に雇用保険適用事業所設置届を提出します。(業種によって一部例外あり)

しかし、様々な事情によって、この期限以内に提出できないこともあるかもしれません。過去に遡って労災、雇用保険に加入をするケースについて、解説します。

この記事の目次

1、労災保険加入は通常と同様の手続き。

労災加入は管轄の労働基準監督署で行います。上記と同様に保険関係成立届を記載して提出してください。起算日は実態として労働者が発生した日を記載することになります。

この時に、同時に労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書を提出しましょう。正確には保険関係成立届と同時であることが必須ではありませんが、保険関係の成立の翌日から起算して50日以内に提出する決まりとなっています。遡り加入となれば、この期間を過ぎている可能性が高いので、同時に提出してしまうことをお勧めします。

添付書類として、法人であれば登記簿謄本、個人であれば世帯主全員の住民票と開業届など、事業の実態がわかるものを用意します。また、この書類に記載された住所と、届出に記載する住所が違う場合は、賃貸契約書などそこで事業が行われている証明を求められることもあります。労基署によって求める添付書類が違うこともあるので、事前に管轄の労基署に添付書類の確認を行ってください。

遡りの場合、過去に労働事故が発生していないかの確認が提出時に入ることがあります。事実に沿って回答を行ってください。

順調にいけば、持参の場合、その場で労働保険番号が振られて、保険関係成立届の控えが渡されます。郵送の場合、返信用封筒と切手を同封すれば返送してくれます。これで手続きは完了です。

2.雇用保険加入は遅れた理由や加入者の証明など、添付書類が多くなる

続いて雇用保険の遡り加入です。労災加入の後に手続きをすることになります。

まず、前述の雇用保険適用事業所設置届を作成します。同時に加入者の雇用保険被保険者資格取得届も作成しましょう。日付は実態として雇用保険への加入が始まった日、ということになります。

保険関係成立届の控え、事業の実態が確認できるもの(法人なら登記簿謄本や住所が違う場合は賃貸契約書の控えなど、個人なら住民票や契約書など)、公共料金の請求書の控えを添付します。

同時に6ヶ月以上前に遡る場合は遅延理由書を添付します。フォーマットを各労働局、ハローワークで取得してください。

さらに、対象者の加入時期からの賃金台帳(給与明細)、または出勤簿が必要です。当人が本当に加入対象者か確認をするためです。労働者名簿または雇用契約書を求められる場合もありますので、準備をしておいてください。

以上は原則となりますが、対応するハローワークによって、添付する書類に少し違いが出るようです。実際に届出をする際には、必ず管轄のハローワークにその必要書類を確認してください。

雇用保険の遡り加入は原則2年間まで認められます。ただし、雇用保険料を適正に控除していたことが賃金台帳などで証明できる場合は、その限りではありません。
書類は郵送でも受け付けられますが、こちらは添付書類が多いので、心配な方はハローワークに持参することをお勧めします。

3.雇用保険の遡り加入には時間がかかる!

雇用保険の加入は、まず上記書類がすべて揃っていることが前提となります。そのうえで、ハローワーク側はそれらの書類を受理した後、実態調査に入ります。
通常2週間くらいで終了しますが、その混み具合などにより1ヶ月近くかかるケースもあるようです。実態調査が完了すると、会社宛てに適用事業所台帳と呼ばれる書類と、雇用保険被保険者資格取得確認通知書が、雇用保険に入る従業員の人数分送付されます。これらを受理して、ようやく手続きは完了ということになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
労災や雇保に遡って加入をする場合は、各役所に添付書類を確認のうえ、それぞれの書類を作成して届出を行ってください。

私の経験上、遡りを咎められたということはありません。役所で叱られるのではないか、いろいろと腹を探られるのではないか、と心配される方もいらっしゃいますが、それで届出をしない、ということは本末転倒です。もちろん、速やかに提出すべきだったのは事実ですが、過去に戻ることはできません。未加入に気づいたタイミングですぐに手続きを行ってください。

ご質問、ご相談あれば、労基署やハローワークの窓口、あるいは社会保険労務士にお気軽にご相談ください。

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