独自休暇制度の導入でワークライフバランス向上を支援!~株式会社桃谷順天館の事例~
労務


働き方改革の一環として、独自の休暇制度を創設する企業が増えてきています。今号でご紹介するのは、不妊治療と月経前症候群に対応する休暇制度を整え、2020年6月より運用を開始した、株式会社桃谷順天館の事例です。
働きやすい職場を実現するための道すじは、ひと通りではありません。働き方改革とは表裏一体とも言える「休み方改革」の観点から検討することもまた、選択肢の一つと言えるでしょう。

この記事の目次

不妊治療休暇は「男女を問わず」取得可能に

進展する少子高齢化を背景に、仕事と不妊治療を両立する方が増加傾向にあります。しかしながら、不妊治療のための通院や治療に伴う副作用がネックとなり、仕事との両立が困難となるケースは少なくありません。

この点、株式会社桃谷順天館では不妊治療休暇を創設し、社員が働きながら無理なく必要な治療を受けられる体制を整えました。
また、不妊治療というとどうしても「女性主導」のイメージが付いて回りますが、そもそも男女が協力して治療と向き合えるように、また、男性不妊の場合の治療にも休暇を取得できるようにと、不妊治療休暇の対象を「男女問わず」としたことも特筆すべき点といえるでしょう。

生理休暇をPMS(月経前症候群)にも適用

加えて、同社では、女性特有の生理休暇についてPMS(月経前症候群)への対応にも活用できる様、制度を拡充しました。男性にとってはあまりピンとこないかもしれませんが、月経前の体調不良や精神不安定等のPMS(月経前症候群)の諸症状は、女性にとっては毎月の深刻な問題です。

人によっては、月経が始まる前の症状の方が辛く感じられるケースもあります。株式会社桃谷順天館は全社員の6割が女性という背景もあり、法定の生理休暇について、女性特有の症状により一層寄り添える制度に作りかえることで、女性にとっての働きやすさ実現を目指します。

ちなみに、生理休暇については、労働基準法上、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。」とされています。法定休暇ではありますが、意外と取得させていない(知らない)会社もあるようです。女性従業員から申請があったら、適切に対応できるようにしておきましょう。有給にするか、無給にするかは会社独自の判断で問題ありません。

より活用しやすい制度となるよう、休暇の名称にも配慮を

さらに、不妊治療休暇や生理休暇の取得にネガティブなイメージを抱きにくいよう、休暇の名称にも工夫しました。同社では、不妊治療休暇を「ライフサポート休暇」、生理休暇を「エフ休暇」として、誰もが取得申請しやすく、また、当事者にストレスを感じさせない名称で呼んでいます。こうした細かな配慮が、休暇取得を促進する秘訣となるものと感じられますね。

参考:桃谷順天館グループ 広報ブログ 「桃のタネ」

まとめ

今号では、働き方改革の一環として「休み方改革」に乗り出した株式会社桃谷順天館の事例をご紹介しました。不妊治療や月経といったデリケートな問題は、つい自分の中だけにためこみがちになります。しかしながら、会社が率先して制度を整えることで、仕事との無理のない両立に目を向けることができるようになるのではないでしょうか? ちなみに、今号で登場した「生理休暇」については、男性従業員にとっては少々扱いにくいと感じられる休暇のようです。現場では、「土日とつなげて取得して、あえて3連休にしたのでは?」「一ヵ月も経たないうちにまた生理休暇?」等と懐疑的な目を向けられることも少なくありません。

もちろん、本当に制度を悪用する女性の存在がないわけではありませんが、月経不順にお悩みだったり、月経以外にもPMS等に対応するために取得していたり、といった例もあります。
ただし、男性の上司にはどうしても率直に話がしにくいため、結果的に、事情を抜きにして単に「生理休暇の取得」のみの申請に留める傾向にあるようです。

こうした背景に鑑み、男性中心の職場では女性社労士をご活用いただき、女性従業員特有の問題にスムーズに対応できるようにするのが得策と言えそうです。

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