2021年1月1日より、障がい者の法定雇用率が引き上げへ。民間企業で「2.3%」に
労務


障がい者の法定雇用率についてはかねてより段階的な引き上げが行われており、2020年度中に民間企業で2.3%となる旨が公表されていました。本件について、2020年7月末日実施の厚生労働省労働政策審議会障害者雇用分科会では、2.3%への引き上げの期日を「2021年1月1日」とする旨が示されました。

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2021年1月1日より、「従業員数43.5人以上の事業主」に障がい者雇用の義務が生じます

障がい者の法定雇用率については、2021年1月1日より下記の通りとなります。

民間企業

民間企業 = 2.3%
特殊法人等 = 2.6%

国及び地方公共団体

国、地方公共団体 = 2.6%
都道府県等の教育委員会 = 2.5%

民間企業においては、法定雇用率が2.2%の現在は「従業員45.5人以上」の事業主が対象とされています。この点、2021年1月1日以降は「従業員43.5人に1人」の割合で障がい者雇用に対応することとなり、対象となる事業主の範囲が広がる点に注意が必要です。

民間企業における障がい者雇用者数は16年連続で過去最高を更新中

障がい者の法定雇用率引き上げについては以前から予定されていたものの、2020年中は新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、実際に引き上げが行われるかどうかが不透明とされていました。しかしながら、厚生労働省労働政策審議会障害者雇用分科会の資料では、予定通りのスケジュールにて法定雇用率引き上げが行われる旨が示されました。

こうした背景には、民間企業の障がい者雇用状況として、雇用者数が16年連続で過去最高を更新しており、着実に状況が良くなっていることがあります。今回はコロナ禍での障がい者法定雇用率引き上げと、これに伴う対象事業主の範囲拡大とはなりますが、何ら猶予されない状況下においては確実に対応できるよう準備を進める必要があります。

出典:厚生労働省「第97回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」

障がい者雇用ゼロ企業に対する「提案型雇用支援」が進んでいます

民間企業における障がい者雇用促進のために、国は様々な支援を行っています。

・採用準備段階から採用後の定着支援までの一貫した「企業向けチーム支援」をハローワークで実施
・ハローワークに「精神障害者雇用トータルサポーター」等を配置し、カウンセリング等の専門的な支援を実施
・職場での職務遂行やコミュニケーション等の課題解決を行うジョブコーチによる職場訪問・支援を促進
・「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の実施を通じ、精神障害者等が働きやすい職場づくりを促進


このうち、障害者雇用ゼロ企業に対しては、重点的に提案型雇用支援が行われています。具体的には、労働局・ハローワークに配置する「就職支援コーディネーター」が企業に訪問し、企業のニーズに合わせた支援計画の作成、ノウハウの提供に取り組んでいます。

出典:厚生労働省「第97回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)」

障がい者雇用について課題を抱える事業所においては、積極的にこうした支援の活用に目を向けられると良いと思います。もちろん、労務管理の専門家である社会保険労務士にご相談いただくことも有効です。

まとめ

今号で解説した通り、2021年1月1日より、障がい者法定雇用率が引き上げられます。新型コロナの影響もあり、何かと不安定な状況下ではありますが、法改正項目は「知らなかった」では済まされません。事業主の責任として情報収集に努め、必要な対応を心がけてまいりましょう。

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