さらなる経営力向上のため、この機会に気になっていたITツールの導入を本格的に検討されてみてはいかがでしょうか?今号では、いよいよスタートしたIT導入補助金の詳細をご紹介することにいたしましょう。
自己負担1/3(上限100万円)で気になるITツールを導入するチャンス
IT導入補助金の概要や具体的な申請手順は、下記WEBサイトにてご確認いただけます。
一般社団法人サービスデザイン推進協議会『IT導入補助金』
補助対象となる事業者
補助金交付の目的は、「IT ツール(ソフトウエア、サービス等)の活用を促進することで、各中小企業・小規模事業者の生産性向上、さらには経営力強化を目指していこう」というもの。我が国では、全企業数の実に99%超が中小企業(個人事業含む)で占められており、大企業以外への支援拡大は日本経済成長を目指す上では不可欠であると言えます。
今回補助対象となる中小企業者の要件は、原則「中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する者並びに医療法人、社会福祉法人及び特定非営利活動法人」等となっています。
さらに、交付申請にあたっては「生産性向上を目標とした計画」、「独自の数値目標」の設定が条件となっています。詳しくは、上記WEBサイトにてご確認ください。
補助対象となる IT ツール(サービス、ソフトウェア等)の内容
導入するITツールはどんなものでも良い、というわけではありません。事務局に承認されたIT 導入支援事業者によって提供されるサービスや製品で、補助対象として公開されているものに限定されています。
下記にて、事業計画に合う対象サービスを検索できます。
一般社団法人サービスデザイン推進協議会『IT導入補助金』「IT導入支援事業者・コンソーシアム検索画面」
補助率
IT導入補助金では、導入に伴う経費の2/3が補助されます。自己負担を通常の1/3に抑えられるということで、この機会に上手く活用したいものです。ちなみに、補助上限は100万円となっています。
具体的にどういった経費が補助対象となるかについては、公募要領に記載されています。
『平成28年度 補正サービス等生産性向上 IT 導入支援事業 公募要領』7ページ目
このあたりの詳細は、サービス・製品を提供するIT導入支援事業者に確認すれば明確になるかと思います。
申請手順
『平成28年度 補正サービス等生産性向上 IT 導入支援事業 公募要領』12ページ目より抜粋
交付申請はIT導入支援事業者が代理で行うことになっています。
申請期限は平成29年2月28日(火)17時までです。
無事に交付決定されたら、その後は下記のステップを経ることになります。
▶ STEP1
平成29年5月31日までにITツールの導入実施
▶ STEP2
ITツール導入後30日以内(ただし最終期限は平成29年6月15日)までに実績報告書の提出
▶ STEP3
毎年3月末(平成33年3月末まで)を目安にITツール導入結果・実績報告書を提出
※ 各報告書に記載すべき具体的な内容は、公募要領にてご確認ください。
つまり、交付を受けっぱなしというわけにはいかず、その後の状況報告を向こう4年間継続して行わなければならないとされています。
「行わなければならない」と記載してしまうとネガティブに捉えられてしまうかもしれませんが、経営力向上を考える上では、新たなツール導入後の分析と考察こそが重要です。
「何となくお金をかけたけど、効果のほどは結局よく分からないまま・・・」ということにならないために、仮に実績報告が義務とされていなかったとしても丁寧に行っておくべきです。
要件さえクリアできれば誰でも受けられる、というわけではありません!
今回ご紹介したIT導入補助金はあくまで“補助金”ですから、申請後に審査を経て交付の可否が決定されます。その上で重要なのが、「適正な目標設定と事業計画の策定」です。
この部分については導入予定のサービスを提供する支援事業者のサポートを仰ぐことはもちろん、
※1 各専門家に係る参考サイト : ミラサポ / よろず支援拠点 / 地域プラットフォーム
✓補助金の額が80万円以上の案件については、「中小企業等経営強化法」に基づく経営力向上計画の認定を取得する
等の対策が考えられます。もちろん、上記2点は必須となっているわけではありませんが、『IT導入補助金』のWEBサイト内で、「申請準備」の項目に明記されているため、要注意です。
最後に、要項等で繰り返し注意喚起されていますが、交付決定前に契約・導入され発生した経費は補助対象とならないので、くれぐれもご注意ください。