テレワークの勤怠管理、費用負担はどうするか。テレワーク規程を作成するときの注意点を解説します。
労務


11月はテレワーク月間です。厚生労働省をはじめ、各省がテレワークについて様々な啓蒙イベントが行われる時期でもあります。

このテレワーク月間は今年で6年目なのですが、この1年の間、コロナ禍の影響でテレワークに対する注目度がぐんと上がりました。

ここでは、本格的にテレワークに舵を切ろうとしている会社向けに、テレワーク規程を作るうえでよく聞かれる点、注意点を解説させていただきます。

この記事の目次

1、テレワークの対象者を決定する。全員を対象にする必要はない。

テレワークを考える時、最初に考えることが、誰を対象にするか、ということです。
例えば、経験年数が浅いことや、業務上の理由でテレワークをさせることが難しい社員もいます。そういった社員からテレワークを求められた場合はどうすれば良いでしょうか。
テレワークは原則、会社が社員に許可をするものです。社員の権利ではありません。そのため、社員の経験年数や職種をテレワーク規程で明確にしておきましょう。
そのうえで、テレワークを行うための申請方法を規定で示しておいてください。その申請と承認が行われたことで、その後に続くテレワーク規程の対象者であることが労使共に確認できるのです。

2、勤怠管理は必須。残業は申請制にする。

テレワーク中だからと言って、会社は勤怠管理から解放されるわけではありません。必ず出退勤を記録させ、残業があれば残業代を支給する必要もあります。
と言っても、テレワークだと、出退勤を目視できないので、その管理が難しいというところもあります。

まず、出退勤の記録方法を決定しましょう。テレワークだと勤怠システムやメールで行うことが多いのですが、最近ではチャットツールを使う例も増えています。出退勤のルールを作っておけば、この出退勤の記録が無い場合は欠勤扱いでも構わない、ということになります。

また、残業は申請制にしておくことをお薦めします。残業を行う理由や時間を報告して、上長が承認する、というルールを作っておくのです。テレワークでは公私の区分けが曖昧になりがちです。就労時間をプライベートで使いつつ、その時間を後にずらして、しっかり残業代は請求する、というのもおかしな話です。
なので、上長がその方に振り分けている業務量から、残業が必要な業務かどうか客観的に判断する、というフィルターを通すことが、適正な労働時間管理になるのです。
なお、「事業場外みなし労働時間制」を利用する、という考え方もありますが、同制度は「労働時間を算定し難い」場合に利用できる、という前提があります。通信機器が発達した現在では、労働時間を算定し難いケース自体があまり存在しません。テレワークであれば、通信機器が揃っている前提になりますから、なおさらでしょう。ケースバイケースではありますが、同制度の適用は慎重になるべきです。テレワークを行うにあたっては、できるだけ出退勤管理を行うことが原則であるとご理解ください。

3、通信代、電気代など、費用負担を明確に。

もう一つ、はっきりしておきたいのが費用負担です。テレワークで利用するパソコン代、通信費、電気代など各種負担は誰が行うべきなのでしょうか。

まず、業務に必要な消耗品備品は、テレワークと関係なく、原則会社負担とするべきでしょう。パソコンはセキュリティ上の観点から、会社が社員に現物を貸与するケースが多いように思えます。

通信費は、インターネット回線を使うのであれば、個人負担が一般的です。ただし、そもそもそのような回線が無い自宅でのテレワークを会社が命じるのであれば、会社が負担するべきでしょう。

電気代など生活に必要な費用も個人負担が一般的です。テレワーク中は自宅にいるので、負担が上がるという意見もありますが、やはりプライベートの利用分と仕事での利用分を分けることが困難だからです。

つまり、それが仕事で必要であると明確なものは会社負担が原則ですが、プライベートとの境目が難しいものまで会社負担する必要は無いということになります。

もちろん、社員のテレワーク促進という観点から、このような電気代、通信費の見合いとして数千円~数万円のテレワーク手当を支給している会社もあります。貴社のテレワークの位置づけから、費用負担についてご検討ください。


なお、自宅外のサテライトオフィスでのテレワークの場合は会社負担が原則になることは言うまでもありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
テレワーク規程を作成するなら、まず対象者の範囲を決めてください。そこから最低でも勤怠管理の方法と費用負担については、労使間でトラブルになりやすいところですので、きちんと規定しておきましょう。

テレワークという働き方はまだまだ発展途上と言えるでしょう。これから様々な事例が集まって、より効率的なテレワークに成長していくに間違いありません。テレワーク月間を機会に、積極的にテレワークについての情報を集めていただきたいです。

テレワークでの働き方で困ったら、お近くの社会保険労務士にぜひご相談ください。

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