社労士試験の合格発表!社労士になったらいくら稼げるのか、その平均年収についての考察。
労務


今年も社会保険労務士試験の合格者の発表が11月6日に行われました。

受験者数34,845人、うち合格者は2,237人。合格率は6.4%でした。 合格率はここ数年、6%台で推移をしています。

社会保険労務士という資格は、難関でありながら、以前から社会人が目指すべき資格の一つとして人気があります。国家資格として信頼性があり、人事労務分野の汎用性が高く、幅広い会社でニーズがあるためと思われます。

一方で、社会保険労務士試験の合格は、社会保険労務士としての輝かしい未来を約束するものではなく、ただスタートラインに立ったにすぎません。

ここでは、社会保険労務士の各データを見ながら、特に平均収入についてフォーカスをします。社労士になったことで期待できる収入について解説をいたします。

この記事の目次

1、社会保険労務士の平均年収は486万円、それ本当?

令和元年の賃金構造基本統計調査によると、社会保険労務士の平均年収は486万円となっています。この他にも様々な調査があるわけですが、だいたい400万円台と発表されているものが多いようです。難関資格という割には低い、感じるのではないでしょうか。

では、これらの調査はどこまで実態を表しているのでしょうか。まず、前提として社労士には大きく分けて、自ら事業として業務をしている「開業社労士」と、会社に勤めながらその会社の社会保険手続きを行う「勤務社労士」がいます。

開業社労士はいわば一人の事業主ですので、給与所得者と同じように「年収」で比較することは無理があります。1000万円の給与収入と1000万円の事業収入では、入ってくるお金は同じでも、支出するコストや残る可処分所得が大きく違ってくると言えばおわかりいただけると思います。

では、勤務社労士の方はどうでしょうか。勤務社労士の給与を決定付ける要素は勤続年数や役職などが大半です。社労士だから受け取れる収入はおそらく給与のごく一部である資格手当くらいでしょう。

この2つを一緒にして平均を出すことはもちろん、開業社労士にしても、勤務社労士にしても「社労士」という観点で平均を出すことにあまり意味が無いことをご理解いただけると思います。

そもそも、賃金構造基本統計調査でさえ、その年によって300~800万円と変動が大きく、あてになるものではありません。結局、本当のところの平均年収は「誰にもわからない」のです。

2、社会保険労務士の合格者の1/4は50歳以上。稼ぎたい年収もまた変わってくる。

また注目したいのは、社会保険労務士合格者の年齢構成です。この資格は、若年層にはやや知名度が低く、かつ社会経験が有利に働く資格とも言えます。

20歳台以下の合格者が12.3%に対して、50歳台が18.7%、60歳以上が8.8%と1/4以上が50歳以上です。いわばセカンドキャリアとしての社労士を目指した方が相当数いらっしゃると言えるでしょう。ちなみに最高齢の合格者は78歳です。

平均収入について考えるのであれば、どのくらいの年齢の方が社労士として収入を得ているのか、という点も考慮に入れる必要があります。
つまり、平均年収に含まれる方の1/4が、年金の足しとして少しだけ稼働している開業社労士や、嘱託として限られた時間で働く勤務社労士の可能性がある、ということです。このような高年齢の方が平均賃金を押し下げているかもしれません。

3、結局、社会保険労務士の平均年収を気にしても意味がない

そもそも、なぜ平均年収を気にするのでしょうか。
それは「この資格を取ることで期待される年収を知りたい」ということではないでしょうか。

その答えは「保証される収入などない」ということです。

まず、開業社労士を目指すのであれば、求められるのは社労士としての知識以上に、一人の事業主としてのビジネス力ということになります。どんなに知識があっても、顧客がつかなければ、収入は0円です。もちろん、自身のビジネスを工夫することによって、会社員としては考えられない収入を受け取れる可能性もあります。すべては自分の腕次第です。

勤務社労士を目指すにしても、社労士になった瞬間に受け取れる金額など無いはずです。社内で研鑽とコミュニケーションを積み重ねて社内評価を上げ、初めて給与は上がるのです。

就職も多少は有利になるかもしれませんが、採用する側が見るのは資格の有無ではなく、資格をどう活かしたか、活かすか、というところです。それを明確に答えられなければ、勤務社労士としてのスタートラインに立つことすら難しいでしょう。

つまり、社労士の平均年収など、あまり意味がないのです。人と比べることはありません。自身がなりたい社労士像、収入を明確にして、そこを目指すことを優先してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
社労士の平均年収のデータは、社労士としての年収を保証するものではなく、目安にすらなりません。あくまで目指すラインは自分自身で決めて、そこを目指して研鑽・経験を積み重ねていただきたいです。

私は一開業社労士として、一人でも多くの社労士合格者が、開業にせよ勤務にせよ資格を活かし、ひいては日本の労務環境の改善向上に寄与していただきたいと思っています。

社労士試験に合格したけどこの後のキャリアに不安があるという方、弊所でよろしければご相談にのりますので、お気軽にご連絡ください。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。