労働者派遣事業者、職業紹介事業者の許可更新に係る財産的基礎要件に特例措置が講じられています
労務

新型コロナウイルス感染症の影響により、深刻な経営悪化に陥ることとなった企業は少なくありません。労働者派遣事業者、職業紹介事業者の皆さんからは、2020年に入り、許可更新の時期を迎えるにもかかわらず、財産的基礎要件を満たせる見込みがつかず苦しい思いをされているというご相談を受ける機会が増えているように感じられます。
今般の厳しい状況に鑑み、労働者派遣事業者、職業紹介事業者の許可更新に係る財産的基礎要件に関しては、特例措置が講じられています。

この記事の目次

特例措置では「直前決算の前年度(もしくは前々年度)の決算書」の提出が認められます

今回の特例措置の対象は、以下3つの要件に該当する事業者です。

・ 最近の事業年度における決算書等または最近の事業年度終了後の月次決算や中間決算等では 財産的基礎要件が満たせないこと
・ 許可有効期間更新申請書の提出期限が、令和2年10月末日から令和4年3月末日までの間であること
・ 許可有効期間更新申請書の添付書類として提出する最近の事業年度における決算書等について、 その最近の事業年度または所得税の確定申告の対象となる期間(以下「事業年度等」)に 令和2年1月24日以降の日付が含まれること

特例措置では、以下の書類によって財産的基礎要件が確認されます。

① 最近の事業年度等に、令和2年1月24日以降の日付が含まれる場合
→ 以下のいずれかの書類で確認
・最近の事業年度の1つ前の事業年度の決算書等
・最近の事業年度の中間決算や月次決算等

② 最近の事業年度等の前年度に、令和2年1月24日以降の日付が含まれる場合
→ 以下のいずれかの書類で確認

(1)・最近の事業年度の1つ前の事業年度の決算書等
・最近の事業年度の2つ前の事業年度の決算書等
(2)・最近の事業年度の中間決算または月次決算等
・最近の事業年度の1つ前の事業年度の中間決算または月次決算等
※ (1)の書類で財産的基礎要件を満たしていない場合は、(2)の書類で確認します

特例措置適用は「更新時の事業計画提出」「更新から一年後の要件充足」が条件

ただし、上記の特例措置で財産的基礎を確認できた場合でも、更新日の1年後までに財産的基礎要件を満たす必要があります。このために、以下の提出書類が必要になります。

✓ 更新手続き時に
許可の有効期間の更新日の1年後までに財産的基礎要件を満たすための「事業計画」

✓ 更新日の1年後から1ヵ月以内に
・許可の有効期間の更新申請後
に終了する事業年度等の決算書等
または
・許可の有効期間更新申請から許可の有効期間の更新日の1年後までの間の中間決算または月次決算等

労働者派遣事業、職業紹介事業の許可更新 ケーススタディ

例えば、
令和2年8月決算で、令和3年3月31日に派遣許可の有効期間満了を迎える派遣会社があるとします。
・ 許可更新の申請期限は、令和2年12月31日(有効期間満了日の3ヵ月前)
・ この事業年度は令和元年9月1日~令和2年
8月31日で、令和2年1月24日を含んでいるため、 前項「① 最近の事業年度等に、令和2年1月24日以降の日付が含まれる場合」に該当

このケースで、令和2年8月の決算書で基準資産額を満たせない場合、前年度の令和元年8月の決算書で財産的基礎要件を満たしていれば許可を更新できる、というわけです。

その場合、
・ 更新時に令和4年4月1日までに財産的基礎要件を満たすための事業計画の提出が必要であり、
・ 令和4年4月末日までに、令和3年4月1日以降の決算書、もしくは中間決算または月次決算で財産的基礎を満たす内容の書類を提出する
という流れとなります。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けた「労働者派遣事業者」「職業紹介事業者」の皆さまへ 許可有効期間の更新申請に関する特例措置のご案内」

まとめ

今般の新型コロナウイルス感染拡大による影響は、多くの企業に大打撃を与えるものとなっています。
しかしながら、各種の許可更新期限は暦通りに訪れ、事業者であれば適切に対応していく必要があります。

労働者派遣事業者や職業紹介事業者の皆さんで、本特例措置の適用を受けようという場合には、社会保険労務士までご相談ください。諸々大変な中とは思いますが、一つひとつ、前向きに準備を進めましょう!

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