新型コロナウィルス感染症に感染した従業員に対して会社が行う保障は?
労務


新型コロナウィルス感染症に感染した人数が累計17万人弱、死亡者数が2,500人弱(令和2年12月11日現在)になり、一層深刻になってきています。
そのような中、会社は事業活動を行う中で、どのように対応していけばよろしいでしょうか。

この記事の目次

新型コロナウィルスに感染し、従業員が会社を休む場合

従業員が新型コロナウィルスに感染し、従業員が会社を休む場合、会社は休業手当の支払いの義務があるかどうかです。
休業手当の支払い義務」とは、会社の責任の事由により、会社を休む場合において、会社が、休業期間中の従業員に対し、その平均賃金の60%以上の手当を支払わなければならないという義務です。

平均賃金とは、原則として、「休業以前3ヶ月間の賃金を3ヶ月間の暦日数で割ったもの」をいいます。
すなわち、1日分の賃金に相当するものです。この平均賃金の60%の支払いを会社はしなければならないということです。

自主的に従業員が休む場合や新型コロナウィルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により従業員が休業する場合は、一般的には「会社の責任に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、会社は、当該従業員に対し、休業手当の支払い義務はありません。

このような場合でも、当該従業員が、会社で健康保険に加入し、所定の要件を満たせば、傷病手当金が支給されます。
具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、補償されます。

しかし、従業員に咳や熱などの症状があることをもって、使用者の指示により従業員が休業する場合には、休業手当を支払わなければならないとされています。

仕事上で新型コロナウィルス感染症に感染した場合の保障

業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。具体的には、感染経路が業務によることが明らかな場合、感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合等があります。

また、新型コロナウイルス感染症が流行している地域に出張し、商談等の業務で新型コロナウイルスの感染者等と接触、業務以外(私的行為中など)に感染源や感染機会がなく、帰国後発症した場合も対象となります。なお、新型コロナウィルス感染症に関する労災請求件数は令和2年12月4日現在で、2,214件となっています。

業務に起因して新型コロナウイルスに感染した労労働者やその遺族は、 正社員、パート、アルバイトなどの雇用形態によらず、療養補償給付、休業補償給付または、遺族補償給付等の保険給付を受けられます。

療養補償給付の場合

療養補償給付は、労災指定医療機関を受診することで、原則として無料で治療を受けることができ、やむを得ず労災指定医療機関以外で治療を受けた場合、一度治療費を負担後に労災請求をすることで、負担した費用の全額が支給されます。

休業補償給付の場合

休業補償給付は、療養のために仕事を休み、賃金を受けていない場合、休業4日目から:休業1日あたり給付基礎日額(原則として発症日直前3か月分の賃金を暦日数で割ったもの)の8割(特別支給金2割含む)の給付を受けることができます。

遺族補償給付の場合

遺族補償給付は、業務に起因して感染したため亡くなった従業員の遺族は、遺族補償年金、 遺族補償一時金などを受け取ることができます。

労災保険給付は、従業員(労働者)が請求するものですが、会社がサポートをしていくのが一般的です。該当する従業員がいた場合は、迅速に対応したいものです。

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