新設予定の新型コロナウイルス感染症関連の助成金「トライアル雇用助成金」「産業雇用安定助成金」をチェック
労務


かねてより予定されていた新型コロナウイルス感染症関連の2つの雇用関係助成金が、2020年末よりパブリックコメントに付されています。依然として感染が広がる状況下において、さっそく2021年1月下旬の公布・施行が予定されている内容ですので、ひと足早く概要を把握して活用できるようにしておきましょう。

この記事の目次

コロナ離職者の再就職支援策「トライアル雇用助成金(新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース助成金)」

概要

対象労働者を常用雇用(所定労働時間が週 30 時間以上)又は短時間の常用雇用(所定労働時間が週20時間以上30時間未満)へ移行することを目的に試行雇用する事業主に対して支給される助成金

対象労働者

✓ 2020年1月24日以降に新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた者であって、
✓ 離職期間が3ヵ月を超え、
✓ かつ、就労経験のない職業に就くことを希望する者

助成額

・対象者一人当たり4万円/月(最大3ヵ月)(所定労働時間が週30時間以上の常用雇用)
・対象者一人当たり2.5万円/月(最大3ヵ月)(所定労働時間が週20時間以上30時間未満の短時間常用雇用)
既存のトライアル雇用助成金の制度を土台に、新型コロナウイルス感染症対応のコースが新設される見込みです。

雇用維持のための出向に活用可能な「産業雇用安定助成金」

概要

新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により、急激に事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者の雇用を出向により維持するため、労働者を送り出す事業主及び当該労働者を受け入れる事業主に対して支給される助成金

助成内容・額

① 労働者(雇用保険被保険者)を出向により送り出す事業主及び当該労働者を受け入れる事業主に対して、賃金、教育訓練、労務管理に関する調整経費等、出向中に要する経費の一部を助成する。

② 労働者(雇用保険被保険者)を出向により送り出す事業主及び当該労働者を受け入れる事業主に対して、就業規則や出向契約書の整備費用、出向に際してあらかじめ行う教育訓練、出向先が出向者を受け入れるために用意する機器や備品等、出向に要する初期費用を助成する。

※加算額は、出向元、出向先がそれぞれ以下の要件を満たす場合にプラスされます
出向元事業主:事業活動の縮小規模が一定の基準を上回る事業主であること
出向先事業主:出向労働者を異業種から受け入れた事業主であること

出向元と出向先の両方に対する助成ということで、幅広いメリットが期待できる内容となっています。助成内容・額については2パターンありますが、それぞれ具体的な要件や必要な取り組み、提出書類が異なる可能性があります。

出典:パブリックコメント「雇用保険法律施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に関する意見の募集について」

コロナ禍の雇用維持に向けた選択肢「雇用シェア」を知る

新設予定の「産業雇用安定助成金」では、いわゆる「雇用シェア」を前提とする働き方が想定されています。
「雇用シェア」とはいわゆる在籍型出向のことで、労働者は会社に在籍しながら別の会社を勤務先とする働き方を指します。コロナ禍で一時的に雇用過剰となった企業の雇用維持、一方で人手不足となった企業の円滑な事業継続に寄与するとして、政府は助成金創設を始め、産業雇用安定センターでのマッチング支援等で「雇用シェア」の拡大を推奨しています。

新型コロナの影響により、通常とは異なる局面を迎えている現場においては、「雇用シェア」によって道が開かれることもあるかもしれません。雇用維持や人手不足への対応の一選択肢として、検討の余地があるのではないでしょうか。

まとめ

2021年を迎えてもなお、新型コロナウイルス感染症による影響は広がり続けており、依然として終息の目途は立ちません。企業においては長期的かつあらゆる観点から、新型コロナウイルス感染症対策を講じていく必要があります。今号でご紹介した助成金の活用や雇用シェアもまた、ウィズコロナ対応の一環となります。未だかつてない異例の事態においては、選択肢を幅広く持ち、できることから取り組んでいく姿勢が求められますね。

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