新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金について、事業主に知ってほしいこと。
労務


緊急事態宣言を受けて、休業に入る店舗や会社で困るのは従業員に支払う給与です。本来的には、事業主が休業手当を支給することにより受け取れる雇用調整助成金を利用することが第一に考えられることですが、現実的には資金の問題などから、休業手当が支給できないケースもあるでしょう。

また、社員には休業手当を支給できても、アルバイトには支給できないケースなど、どうしても休業手当を受け取れない従業員が出てきてしまいます。

しかし、ここでシフトに入れないから給与を払えなければ、従業員は生活に困ってしまい、その職場から離れざるを得ません。従業員が職場から離れれば、今度は困るのは事業主です。

そこで、休業手当を受け取れない方が、国に直接申請ができる助成金が「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」です。既に7月以降に始まっている制度ですが、まだまだ認知度が低いようです。

事業主から見ると、休業手当の支給が難しい場合、この給付金を従業員に案内をして、自身に申請をしていただくようにしてはいかがでしょうか。事業主の負担なく、従業員の生活を事業主が守ることができます。

同給付金について、詳細は前掲のリンク先に譲るとして、事業主の方にぜひ知ってほしい概要についてここでは解説いたします。

この記事の目次

1、支給金額は「3ヶ月平均の給与」の80%程度。

まずは気になる金額です。休業前の3ヶ月(直近6ヶ月のうち、任意の3ヶ月)の合計を90で割ります。これを休業開始前賃金日額といいます。

(休業開始前賃金日額×80%(上限11,000円))×(各月の日数-就業または労働者事情で休んだ日数)


が計算式となります。

具体的に計算してみましょう。
毎月90,000円のアルバイトをしていた方が、この緊急事態宣言を受けて1月1日~31日の間にシフトに入れなくなったケースです。

((90,000+90,000+90,000)÷90) ×80%×31日=2,400円×31日=74,400円
※休業開始前賃金日額

が申請額です。
満額とはいきませんが、小さな金額でもありません。

全期間休業ではなく、シフトが減って一部のみ就業した場合や、短時間休業の場合でも申請は可能です。

2、事業主の協力が原則だが、事業主の協力無しでも申請は可能。

同給付金は労働者からの申請も事業主を経由した申請もどちらも可能です。労働者からの申請でも事業主記載欄があり、事業主の協力が必須となります。

また、申請には休業開始前賃金日額の証明のための給与明細や賃金台帳を添付としてつける必要があります。給与明細を毎月もらっていない場合は、会社から賃金台帳を受け取る必要がありますので、ここでも協力が必要、ということになります。

もっとも、このような協力を事業主が拒否をした場合、従業員は事業主記載欄を空欄とし、備考欄にその旨を記載して提出することになります。つまり事業主が協力を拒否したところで、申請はできてしまいます。

この場合、労働局が会社・店舗側に確認を行うことになります。申請が行われれば、その方の労働実績を確認する手間は協力しようとしまいと変わりません。

3、事業主が休業手当を支給しないことをすぐに咎められることはない。ぜひとも協力を。

事業主側から見ると、同給付金を申請することが、休業手当の支給義務を果たしていないことを咎められる、という懸念もあります。

例外として、以下の場合は不可抗力として休業手当の支給義務はありません。
1、事業主の責ではないもの(天災など)
2、事業主が経営者として最大の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故であること

新型コロナによる休業については、2が議論になります。つまり、本当に休業をさせなくてはいけないほどの状況かというところは、各店舗・会社によって事情が変わってくる、ということです。

つまり、同給付金を申請することが、すぐに休業手当の支給義務を果たしていないと解釈されることはありません。また、少なくとも、なぜ休業手当を支給しなかったのか、この給付金申請をきっかけに問われたという話は、これまで聞いたことがありません。

もちろん、この給付金申請によって、休業手当の支給義務がなくなるものではありません。しかし、この給付金の申請は事業主から見ても、負担なく貴重な戦力となる従業員を失うリスクを減らすというメリットがあります。休業手当を支給できない場合でも、積極的に協力をしていただきたいところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。新型コロナの影響で従業員に休業させざるを得ないのであれば、まずは雇用調整助成金の受給を検討し、それが何らかの理由で叶わなければ、同給付金の申請の協力を行ってください。

同給付金は、労働者自らが申請をすることを前提としていますので、事業主向けの助成金と比べて、容易に利用できるように設計されています。申請の煩雑さもそこまで気にする必要は無いでしょう。

もしも、申請に迷うようなことがあれば、問い合わせ先がありますので、そちらをご利用ください。

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
電話番号 0120-221-276
月~金 8:30~20:00/土日祝 8:30~17:15


または、お近くの社会保険労務士にご相談ください。

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