青色申告の要件、「正規の簿記」とは?
労務


確定申告書の種類は青色申告と白色申告に大別をすることが出来ます。青色申告は確定申告を行う人のうち、要件を満たした一定の人に認められています。
青色申告を行うことが認められる要件のひとつに、「正規の簿記」による記帳を行うこと、というものがあります。 今回は「正規の簿記」とは、どのような記帳方法をさすのかについてご紹介致します。

この記事の目次

1.青色申告が認められる要件

青色申告が認められる人とは、下記の要件の全てに当てはまる人です。

①事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかの所得がある人
②正規の簿記による帳簿を作成する人
③期限内に青色申告を行うための青色申告承認申請書を提出する人


2.正規の簿記とは

上記の青色申告が認められる要件のひとつである、正規の簿記とは下記のものをいいます。

①企業会計原則と正規の簿記

企業会計原則では、「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。」という条文が掲げられています。この条文は個人の確定申告における会計帳簿にも適用をされます。
企業会計は利害関係者に対して正確な財務諸表を開示するという目的を持つことから、正確な会計帳簿を実現するために、網羅性、立証性、秩序性を満たすことを求めています。

網羅性とは、企業の経済活動のすべてが網羅的に記録されていることを指します。例えば事業に係る売上が実際には年間で1,000万円ある場合に、一部の800万円の売上を選択して会計帳簿に反映するのではなく、全ての取引を会計帳簿に反映する必要があるということです。

立証性とは、会計記録が検証可能な証拠資料に基づいていることを指します。例えば普通預金の総勘定元帳を作成する場合に、その普通預金元帳の残高は証拠資料としての預金通帳の残高と一致するものである必要があるということです。

秩序性とは、すべての会計記録が継続的、組織的に行われていることを指します。例えば事業に係る交際費がある場合に、ある年度は経費として計上するが、違う年度では経費として計上しない、等といった恣意的な選択は認められず、採用をした会計処理方法は継続的に会計帳簿に反映をする必要があるということです。

これらの網羅性、立証性、秩序性を満たすための帳簿の作成方法として、複式簿記を採用する必要があります。
個人の確定申告における会計帳簿は、利害関係者に対して開示することは一般的には求められませんが、正確な会計帳簿の作成方法として正規の簿記に基づく複式簿記が求められています。

②複式簿記とは

複式簿記とは、取引活動に伴う資産、負債、資本、収益、費用の増減を、帳簿の借方、貸方に分解し、借方に金額を記録すると同時に、貸方にも同額を記録する会計処理方法です。

例えばボールペン100円を現金で購入した場合、100円の消耗品費の増加が費用に計上されると共に、100円の現金の減少が資産に計上をされます。この費用の増加と現金の減少を同時に会計帳簿に反映するには複式簿記の適用が必要であり、仕訳帳の借方には消耗品費100円、貸方には現金100円と記載をします。
費用の増加と現金の減少を同時に表現するように、両側面から取引を表現する方法が複式簿記です。

③単式簿記とは

複式簿記と対照的な会計処理方法が単式簿記です。単式簿記では帳簿を借方、貸方に分解をすることはありません。
例えばボールペン100円を現金で購入した場合、100円をボールペンの購入のために支出した、という内容のみが帳簿に記載されます。一般的な家計簿と同様です。
費用の増加と現金の減少を同時に表現せず、現金の減少のみである片面から取引を表現する方法が単式簿記です。

3.まとめ

上記のように、青色申告を行うためには、正規の簿記による会計帳簿の作成が必要であり、その正規の簿記は複式簿記による会計処理を求めています。
単式簿記よりも簿記や会計の知識が求められる会計処理方法ですが、青色申告は白色申告よりもメリットが多いため、是非ご活用ください。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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