「試用期間」を知る!一般的な「期間」や「延長」の可否、「解雇」する場合の注意点
労務


3月も下旬にさしかかり、新年度を目前に、新たな人材を迎え入れる準備を進めている現場も少なくないでしょう。新規採用に際し、多くの企業で雇入れ当初の数ヵ月間を「試用期間」に定める一方、社労士として現場の声をお伺いしていると「試用期間」にまつわる現場の疑問は意外と多くあることに気が付きます。
試用期間に関わる理解は万全でしょうか?今一度、試用期間の基本ルールを確認しておきましょう。

この記事の目次

試用期間の期間の相場は「3~6ヵ月」

いくつかの選考を経て採用に至った人材であっても、実際に十分な業務遂行能力や適性があるのか、まじめに働いてくれるのか等の判断には、ある程度現場での見極めが必要になります。試用期間は、本採用前の試験的な雇用期間であり、会社はこの期間に正式に採用するか否かを判断することになります。

試用期間は一般的に「6ヵ月以内」とされており、実際には「3ヵ月程度」とする現場が多いようです。もっとも、試用期間の長さについては法律に定められているわけではありません。しかしながら、労働者にとって試用期間は「本採用前の不安定な立場に置かれる期間」であることに鑑み、不当に長期に渡る場合には「公序良俗に反する」として、民法上無効になる可能性があります。よって、合理的な理由がない限り、6ヵ月を超える試用期間の設定は避けるべきと言えます。

試用期間の延長は可能。ただし「就業規則への規定」「合理的理由」「期間の妥当性」を確認すべし

通常、会社はあらかじめ定めた試用期間内に本採用の有無を判断しますが、やむを得ない事情がある場合には試用期間の延長を検討することもあるでしょう。
特にコロナ禍においては、想定した試用期間内に十分な出勤日数を確保したり、業務遂行をさせることができなかったりというケースもあるでしょうから、会社として判断に迷うこともあるでしょう。

試用期間の延長については、まず就業規則等に延長の可能性がある旨の規定があるかどうかを確認しましょう。延長される期間の上限に定めがあれば、これに従います。
期間の上限ついて定めがない場合、試用期間が結果的に不当に長期に渡ることのないように配慮しましょう。基本的には、「当初の試用期間と合算して6ヵ月」を目安にすれば問題ありません。

また、試用期間を延長することについては、合理的な理由と労働者本人への説明が必要です。社会通念上、「理由なく試用期間を延長する」「期間の定めなく延長する」「何度も繰り返し延長する」等は認められません。
試用期間を延長する場合、なるべく早期に労働者に「延長がある旨」と「延長の理由」、「延長される期間」を伝え、同意を得るようにしましょう。

試用期間中、または試用期間満了で解雇する際の注意点

試用期間は、原則として長期雇用を前提として設定されるものです。ところが、試用期間中に勤務態度の不良や職場風紀を乱す言動があったり、重大な経歴詐称や能力不足が判明したり等で、会社として本採用を見送る決断を下すこともあるでしょう。
試用期間中、または試用期間満了で解雇する際には、以下に留意して対応する必要があります。

✓ 本採用見送りに関わる理由を具体的かつ客観的に示す
✓ 解雇予告を行う


解雇予告については、「解雇の時期が試用期間開始から14日間であり正当な理由がある場合」に限り不要とされていますが、原則は労基法の定めに則り「30日前の予告もしくは30日分以上の平均賃金の支払い」が必要です。また、不当解雇と判断されないよう、解雇とする前に、必ず会社として対応すべきことに着手しておかなければなりません。例えば、「能力不足」が原因であれば「指導や教育によって改善策を講じる」等の対応が求められます。

まとめ

会社が当たり前のように設定する「試用期間」ですが、実務上、判断に迷うことは意外と多いのではないでしょうか?誤った対応が、思わぬ労使トラブルにつながる可能性があります。「こんな時はどうすれば良いんだろう」と疑問に思うことがありましたら、お気軽に労務管理の専門家である社労士にご相談ください!

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