生理休暇について、正しく知りましょう!
労務


生理休暇とは、生理痛などで働くことが困難な女性が、事業主に対して休暇を取得できる制度です。労働基準法第68条で「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定められています。

ところが、この生理休暇の取得割合は年々低下傾向にあります。昭和40年代には女性の4人に1人が生理休暇を取っていたのですが、平成26年の調査ではその割合が0.9%にまで落ち込んでいます。

生理休暇の取得率低下の原因としては、女性の社会的役割の変化や生理用品の向上など様々な要因が考えられます。もっとも、制度そのものについては、女性はもちろん、同じ職場で働く男性側も理解しておく必要があります。

ここでは、取得実績が少なくなった今だからこそ知っておきたい、生理休暇について解説します。

この記事の目次

1、生理休暇の日数には上限が無い。就労が著しく困難であれば取得可能。

先に生理休暇に関する条文を挙げておりますが、実はこの条文、これだけしか記載されていません。つまり、生理休暇は「就業させてはならない」という決まりだけがあり、他のことは決まっていないのです。

そのため、取得日数に上限はありません。また、生理日で就業が困難なことの証明を義務付けることも事実上できませんので、いわば請求する側のモラルに任されていると言えるでしょう。

とは言っても、「就労が著しく困難」なことが取得の条件でもあります。本当に生理休暇を取り過ぎてトラブルになれば、後で述べる判例のように、著しく困難であったかどうかが問われることになるかもしれません。

2、生理休暇取得時の賃金は有給・無給どちらでも良い。

生理休暇を取得した場合の賃金についても、法的な取り決めはありません。よって有給・無給扱いはどちらでも良いことになっています。傾向としては、全体的な公平感を鑑みて無給にしているケースが多いようです。

また、有給休暇取得時の出勤率の算定に含めるかどうかも決まっていません。こちらも全体的な公平感からの理由で含まないようにしていることが多いと感じています。就業規則のある会社では、生理休暇の賃金や出勤率の取扱いについて確認をしてみてください。

無給でしかも出勤率にも反映しないのでは、欠勤と同じではないか、と思うかもしれません。しかし、多くの企業において、連続欠勤や一定期間内の多くの欠勤で懲戒や解雇の規定を持っています。労働者は雇用契約上、健康に働く義務があります。事情はどうあれ欠勤扱いにすることは、会社から見れば契約を全うしておらず、労働者自身の立場を危険に晒すことになるのです。

女性であれば健康であっても生理日は来ます。同じく無給でも休みを取るのであれば、生理休暇としておいた方が、立場を守れると心得てください。

3、生理休暇を不正取得したらどうなるか?

生理休暇は立証が困難なので、モラルに任されている側面があります。以前、生理休暇を取得して民謡大会に出場していたとして懲戒処分になった社員が、その不当性を争った裁判がありました。

この判例では、仮に生理日であったのは事実にしても、遠くの場所で腹に力を入れて歌うことができる者が、就業が著しく困難であったとは言えない、と懲戒処分が認められています。

このように自身の立場が危うくなることはもちろん影響としては大きいのですが、一番の問題は他の社員、特に女性社員への影響ではないでしょうか。生理休暇の不正利用ができてしまえば、正当に生理休暇を取得している女性社員への風当たりまで強くなってしまいます。

ジェンダーへの理解が昔以上に求められている今だからこそ、生理休暇への理解を男女ともに深めると同時に、正しく使う姿勢が必要なのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
生理休暇には取得に上限日数はなく、また有給無給も法的な取り決めはありません。だからこそ、生理休暇に対する正当な理解が男女ともに求められています。

個人的には、権利があるにもかかわらずの0.9%の取得率というのは低いように感じます。正当に取得できる会社が増えることを望んでいます。生理休暇についてのご相談は、社会保険労務士までご相談ください。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。