【2021年度改正】企業における「不妊治療と仕事の両立支援」がより一層加速します
労務


不妊治療に取り組みやすい職場風土の醸造については、かねてより企業における課題の一つとなっています。働き方改革を追い風に、妊娠した女性や育児中の労働者の働き方に配慮する会社はぐんと増えましたが、一方で「不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境の整備」についてはどうかといえば、未だ多くの企業で進んでいないように感じられます。こうした現状に鑑み、政府は2021年度より、企業に対して不妊治療両立支援に寄与する2つの施策を講じる予定です。

この記事の目次

一般事業主行動計画に「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」を追加

一般事業主行動計画とは、事業主が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むための指針を定めるものです。現状、常時雇用する従業員が101人以上の企業では策定・届出が義務とされています。100人以下の企業でも、「くるみん(子育てサポート企業の認定)」や「えるぼし(女性活躍推進企業の認定)」等の認定制度を活用したい場合や、両立支援等助成金を申請する場合等に策定・届出します。
このたび、一般事業主行動計画策定指針が改正され、「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」の項目が追加されました。



出典:厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画策定指針」の改正について」

両立支援等助成金に「不妊治療両立支援コース」を新設

両立支援等助成金とは、文字通り「家庭生活(子育てや介護等)と仕事の両立支援」のために活用可能な助成金です。2021年度からは「不妊治療両立支援コース」が新設され、「不妊治療に取り組みやすい職場環境作り」や「実際に不妊治療に取り組む労働者への休暇付与」を実施した場合に助成金が支給されます。


出典:厚生労働省「2021年度の両立支援等助成金の概要・リーフレット」

まずは、不妊治療関連の両立支援に対する現場のニーズを知ることから

企業における不妊治療両立支援が進まぬ背景には、「職場の無理解」の他に、「そもそも会社がニーズを把握できていない」といった要因も大いに影響するように感じられます。今号でご紹介した通り、2021年度より、企業における不妊治療への理解促進に向けた労務管理体制強化がこれまで以上に進みます。「対象者がいるか分からないから」で何の取り組みもせずにいることは、望ましくありません。
下図の通り、不妊治療を経験している労働者の35%ほどが、仕事との両立が困難であることから、何かしらを諦める状況にあります。こうした実情を踏まえ、御社ではどのくらい、両立支援が必要な労働者が存在しているでしょうか?労働者自身から声を上げにくい話題だからこそ、職場からの積極的な働きかけ、取組みが求められます。

まとめ

企業が講じるべき不妊治療への両立支援を理解するためには、以下のガイドブックが参考になります。まずは不妊治療を知ることから始め、その上で会社として準備すべきことに目を向けていきましょう!ご相談は、SHARES公認の社会保険労務士までお気軽にお寄せください。

参考:厚生労働省「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」

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