休業手当未払いで送検!今一度確認したい、休業手当支払いルール
労務


コロナ禍において、御社では労働者に対して支払い義務のある休業手当を正しく支払っているでしょうか?「うちはシフト制だから、そもそも“休業”は生じない」「正社員にはしっかり払っているから大丈夫(パート・アルバイトには支払わなくて良い)」等の誤った認識をしている場合は要注意。労基法違反の罪に問われることになる前に、休業手当の支払いルールを正しく理解しましょう。

この記事の目次

コロナ禍の休業手当未払いで書類送検

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、休業や時短営業を余儀なくされた現場は少なくないと思いますが、こうした背景で問題視されているのが「休業手当の未払い」です。労働者側から正当な支払いを求める声が高まる中、神戸西労働基準監督署は、使用者の責めに帰すべき事由で計10日間の休業を命じたにもかかわらず休業手当を支払わなかった宿泊業者と同社事業構築部の部長を、労働基準法第26条(休業手当)違反の疑いで神戸地検に書類送検したとのこと。企業としては、このような事態に発展する前に、適正な対応にあたりたいものです。

休業手当の支払要否を正しく理解する

コロナ禍において休業手当の支払いが必要となるケースについては、これまでにもSHARES LAB内のいくつかの記事で解説しています。休業手当の支払いの要否を考える上では、「使用者の責に帰すべき事由による休業に該当するか否か」を判断する必要があります。

休業手当の支払対象とならないケース

・新型コロナウイルスに感染した労働者が、都道府県知事が行う就業制限により休業する場合
※健康保険法上の傷病手当金の支給対象となる場合があります

休業手当の支払対象となるケース

・会社が予防措置として、発熱の程度や咳の有無等に応じて労働者を休ませる場合(労働者自身は無感染)

休業手当の支払対象となるかどうか、十分な検討が必要なケース

・協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合

①その原因が事業の外部より発生した事故であること
②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること

上記いずれの要素も満たして初めて、休業手当の支払対象外と判断されます。

新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく営業自粛の協力依頼や要請は①に該当しますが、②については、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしているかを検討しなければなりません。
ただし、雇用調整助成金に特例措置が講じられ、活用が促進される今、営業自粛に伴う休業については手当の支払いを前提とするのが望ましいと言えます。

関連:「企業における新型コロナウイルスへの対応 休業時の賃金支払はどうする?」

「コロナウィルス感染拡大で仕事が無い!社員を休ませる時の休業手当について解説します。」

パート・アルバイト等の非正規労働者も、休業手当の支払対象です

休業手当は、正社員だけでなく、パート・アルバイト等の非正規労働者も支給対象となります。フルタイム勤務でないため、休業手当の発生要件が分かりにくいですが、原則として「雇用契約書等に記載のある勤務日数・時間数、賃金額」を元に休業手当を算出することになります。

関連:
「緊急事態宣言発出に伴う時短営業や休業。アルバイトのシフト削減には適正な休業手当の支払いを!」

「休業手当が受け取れない!雇用調整助成金におけるパートアルバイト、業務委託、労災未加入のケースを解説。」

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業については、事業主が適正に休業手当の支払いに対応しましょう。支払いが難しい場合、雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の活用を視野に入れるのが得策です。
労働者自身が新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を申請する際、事業主は支給要件確認書の作成に協力するようにしましょう。

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