「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン実施中、見直したい学生アルバイトの労務管理
労務


厚生労働省が2015年より毎年4月~7月に行っているキャンペーン「アルバイトの労働条件を確かめよう!」が、2021年も実施されています。正社員の労務管理と比較すると、学生アルバイトの取扱いについてはついおざなりになっている現場も多いのではないでしょうか?この機会に、アルバイト雇用に伴い注意すべき労務管理のポイントをおさえましょう。

この記事の目次

「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンの重点項目

アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンにおいて、特に重点的に呼びかけられる事項は以下の通りです。御社では、適正に守られているでしょうか?

◎ アルバイトを雇うとき、書面による労働条件の明示が必要です
◎ 学業とアルバイトが両立できるような勤務時間のシフトを適切に設定しましょう
◎ アルバイトに、商品を強制的に購入させることはできません
また、一方的にその代金を賃金から控除することもできません
◎ アルバイトも労働時間を適正に把握する必要があります
◎ アルバイトの遅刻や欠勤等に対して、あらかじめ損害賠償額等を定めることや 労働基準法に違反する減給制裁はできません


参考:厚生労働省『「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンを全国で実施』

正社員とは異なります!アルバイトに明示すべき「労働条件」

労働条件明示に際しては、学生アルバイトに対しても労働条件通知書や雇用契約書を交付しなければなりません。正社員とアルバイトとでは、明示すべき項目が一部異なりますので、既存のひな型が明示項目を網羅しているかを今一度確認しましょう。

必ず明示しなければならない事項(書面交付による明示が必須)


・ 労働契約の期間
・ 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
・ 就業の場所・従事する業務の内容
・ 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、 交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
・ 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締め切り・支払いの時期に関する事項
・ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

パート・アルバイトに対しては必ず明示すべき事項(書面による明示)


・ 昇給に関する事項
・ 退職手当に関する事項
・ 臨時に支払われる賃金、賞与に関する事項
・ 相談窓口

定めがある場合に明示しなければならない事項(書面交付の他、口頭の明示も可)


・ 昇給に関する事項
・ 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、 支払いの時期に関する事項
・ 臨時に支払われる賃金・賞与などに関する事項
・ 労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
・ 安全衛生に関する事項
・ 職業訓練に関する事項
・ 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
・ 表彰、制裁に関する事項
・ 休職に関する事項

労働条件決定時には、同一労働同一賃金に注意

2021年4月より、中小企業においても同一労働同一賃金が適用されています。アルバイトの労働条件を決定する際には、「正規・非正規間の不合理な待遇差の禁止」「労働者に対する待遇に関する説明義務の強化」に対応できるようにしなければなりません。具体的な取り組みについては関連記事にて解説していますので、参考にしてみてください。
現場では「“学生”というだけで他のパート・アルバイトよりも時給を低く設定する」「正社員には通勤費が支給されるがアルバイトには支給されない」等の取扱いが見受けられますが、これらは不適切と判断される可能性が高いため、処遇見直しが不可欠です。また、アルバイトに対して「適正な割増賃金を支払わない」「有給休暇を与えない」「労災隠し」「罰金を設定する」等は論外ですので、ただちに改善しましょう。

関連:
「「同一労働同一賃金」が2020年4月(中小企業は2021年4月)より適用 体制整備に向けたマニュアルを要確認!」

「【働き方改革】「同一労働同一賃金」対応に役立つ、取組手順書を活用しましょう!」

まとめ

学生アルバイトの労働条件明示や労務管理の実情については、「ブラックバイト」のキーワードに象徴されるようにかねてより問題視されている他、今春は同一労働同一賃金との関連でも特に慎重な検討が求められます。
弊事務所寄せられるご相談の中には、学生アルバイトから寄せられるものが増加傾向にあり、労働者側の意識は確実に高まりをみせているなと実感します。企業側は、「知らなかった」で労基法違反とならぬ様、正しく法律を理解し、適切な対応を心がけなければなりません。

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