パワハラ発覚の事業場の約半数が事後未対応。パワハラ防止義務化に伴い、見直すべき「ハラスメント対応フロー」
労務


2020年6月より、企業におけるパワハラ防止措置が義務化されています(中小企業は2022年度から)。これに伴い、現場におけるハラスメント防止に向けた取り組みは進んだものと思われますが、一方で問題視されているのが「不十分な事後対応」です。
万が一、ハラスメントが発覚した際の、御社の対応フローは万全でしょうか?
仮に疑わしい事実があっても、そもそも「パワハラと判断しない」といった不適切な取り扱いをしていないでしょうか?
今号でご紹介する厚生労働省の調査をご覧いただきながら、御社のハラスメント対応について見つめ直してみましょう。

この記事の目次

パワハラ発覚後、「何もせず」が47.1%

厚生労働省が実施した、令和2年度「職場のハラスメントに関する実態調査」によると、過去3年間に一度以上のハラスメントを経験した労働者の割合はパワハラで31.4%、セクハラで10.2%、そして顧客等からの迷惑行為(カスタマーハラスメント)については15%との結果となり、職場におけるハラスメントは依然として主要な労務課題の一つに数えられることが分かっています。

ところが、同調査では、ハラスメントを知った後の勤務先の対応として、パワハラでは「特に何もしなかった」が47.1%と約半数にも上ることが判明しました。

ハラスメントの有無に関わる事実関係確認のずさんな状況も浮き彫りに

加えて、勤務先によるハラスメントの認定について、パワハラ、セクハラともに、「ハラスメントがあっ たともなかったとも判断せずあいまいなままだった」の割合が最も高く、パワハラで59.3%、セクハラで40.2%という結果となったことも分かっています。


事業場のこうした姿勢を知ってか知らずか、ハラスメントを受けた後の労働者側の行動として「何もしなかった」の割合が最も高く、パワハラで35.9%、セクハラで39.8%となっています。企業側の不十分な事後対応と併せて、こちらも問題視すべきデータと考えることができます。

参考:厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査について_令和2年度調査」

防止措置だけではダメ!ハラスメント対応フローの見直しと確実な実施を

パワハラ防止措置義務化に伴い、「相談窓口の設置」や「研修の実施」等の取り組みを進めた事業場も多いと思いますが、一方で、ハラスメントが起こった際の対応については見直されているでしょうか?手順は検討できていても、「万が一の際に対応フローが機能しない」といったケースは少なくないようです。
厚生労働省のマニュアルで必要なフローを確認の上、各段階がしっかり機能するよう対応者の理解を深められるような研修の実施が求められます。

以下は、「相談対応」後、「事実確認」以降の社内手続きの流れです。マニュアルには、各段階の具体的な対応方法や留意事項や詳しく解説されていますので、ご一読いただき、現場対応にお役立てください。


参考:厚生労働省「職場におけるハラスメント対策マニュアル」

まとめ

「とりあえず」で検討した形だけのハラスメント対応体制は、いざという時に正常に機能しません。体制整備が重要であることはもちろんですが、正しい知識を有する対応者が責任をもって問題解決に取り組むために、「対応者の育成」が不可欠であることは言うまでもありません。

自社のみでの対応に不安がある場合、外部窓口として労務管理の専門家である社労士をご設定ただくのが得策です。ハラスメント対応に関わるご相談は、SHARES認定社労士までお寄せください。

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