2021年5月末日を期限としていた緊急事態宣言が延長となり、新たに6月20日までの期限が設けられ、対応に追われることとなりました。これを受け、7月以降縮減が予定されていた雇用調整助成金の特例措置について、7月いっぱいは5、6月の助成内容が継続される旨の方針が公表されました。さっそく現時点で公表されている制度概要を確認しましょう(2021年6月1日時点)。
5月以降は全国的な措置を縮減しつつ、地域や業況に応じた特例措置を設定
長引く新型コロナウイルス感染拡大を背景に、雇用調整助成金は何段階もの特例措置や特例の拡充が講じられ、複雑化しています。ここで改めて、雇用調整助成金の特例措置について、判定基礎期間の初日が2021年4月末までのものと、5月以降のものそれぞれの内容を確認しましょう。出典:厚生労働省「7月以降の雇用調整助成金の特例措置等について」
<4月末まで>
日額上限(1日1人あたり): 15,000円
助成率:(中小企業) 最大10/10、
(大企業) 最大 3/4 ※
※大企業における助成率の特例
・緊急事態措置実施地域、まん延防止等重点措置実施地域の大企業
知事による、新型インフルエンザ対策等特別措置法第18条に規定する基本的対処方針に沿った要請を受けて同法施行令第11条に定める施設における営業時間の短縮等に協力する場合は最大10/10
・業況が特に厳しい大企業
生産指標が最近3ヵ月の月平均で前(々)年同期比30%以上減少の事業主は、最大10/10
<5・6・7月>
◎ 基本的には、原則的な措置を段階的に縮減
日額上限(1日1人あたり): 13,500円
助成率:(中小企業)最大 9/10
(大企業) 最大 3/4
◎ 緊急事態措置実施地域、まん延防止等重点措置実施地域の企業、業況が特に厳しい全国企業
日額上限(1日1人あたり): 15,000円
助成率:(中小企業・大企業ともに)最大 10/10
8月以降の取り扱いについては、今後の感染拡大状況に合わせて検討され、6月中に方針が公表されるとのことです。
緊急事態措置実施地域、まん延防止等重点措置実施地域と期限を確認
雇用調整助成金の地域特例を考える上では、緊急事態措置実施地域、まん延防止等重点措置実施地域の確認を欠かすことはできません。それぞれの対象地域は以下よりご確認いただけます。参考:厚生労働省「緊急事態措置及びまん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について(区域一覧)」
前項でも触れたとおり、地域特例が適用されて雇用調整助成金の助成率や日額上限が引き上げられるのは、あくまで知事による時短要請等に従い労働者の休業等を行った場合に限りますのでご注意ください。
地域特例に係る追加支給を受けるためには申請が必要です
2021年4月23日に東京都、京都府、大阪府及び兵庫県の1都3県に緊急事態宣言が発令されたことを受け、以下に該当する大企業では地域特例の遡及適用を受けることができます。必要に応じて、追加支給申請を行いましょう。申請期限は「2021年7月31日まで」もしくは「支給決定日の翌日から2ヵ月以内」のいずれか遅い方となります。出典:厚生労働省「地域特例に係る追加支給申請について」