雇用調整助成金の5月以降の変更について、そしていつまで続くのか。
労務


コロナ禍の終わりが見えません。感染者数は高止まりの様相を呈し、企業の業績にも引き続き影響を及ぼしています。

その中でも、コロナ感染の始まりから一年以上が経過し、売上や利益を回復させた企業と、相変わらずマイナスの影響を受けている企業との二極化しているように思えます。売上を回復できていない会社にとって、雇用調整助成金の動向は大きく気になるところでしょう。

ここでは、5月以降に変更になった雇用調整助成金について、解説をさせていただきます。数字は中小企業向けのものであることにご注意ください。

この記事の目次

1、原則はこれまでの支給金額の10%減

まず、原則的な措置についてお伝えをすると、5月以降の雇用調整助成金の支給金額は休業手当の10分の9になります。上限も15,000円から13,500円と10%減になります。

ここで「5月以降」とは「判定基礎期間の初日」が5月以降であることを指します。つまり、20日締めの企業の場合、4月21日~5月20日の給与計算期間における判定基礎期間の初日は4/21になりますので、従前通り100%支給になります。5月21日~6月20日の給与計算期間から、新たな料率が適用されます。

なお、解雇等を行っている場合は休業手当の4/5が受給額になります。これは従前と変わりません。

2、「業況特例」と「地域特例」で100%受給は継続

雇用調整助成金が減額されてはまだまだ困る、という企業も多いのではないでしょうか。そのために、2つの特例のどちらかにあたる場合は減額を免れる特別措置が取られます。

まず、業況特例は最近3ヶ月平均で、前々年または前年の3ヶ月と比較して、30%以上の売上減となっている場合に適用されます。3ヶ月とは、休業の初日が属する月と、その前2ヶ月を指します。例えば、5月21日~6月20日の休業について、業況特例を使うのであれば、2021年3月~5月の売上がわかるもの(損益計算書や売上勘定元帳など)と、2020年3月~5月(または2019年3月~5月)の売上がわかるものを添付します。その売上から30%以上売上が下がっているかどうかを確認します。

なお、業況特例で申請した場合、次月以降に再度売上の表をつける必要はありません。

次に、地域特例は以下の要件をすべて満たす事業主に適用されます。

①緊急事態措置の対象区域またはまん延防止等重点措置の対象区域(職業安定局長が定める区域)の都道府県知事による要請等を受けている。
②緊急事態措置を実施すべき期間またはまん延防止等重点措置を実施すべき期間を通じている。
③要請等の対象となる施設(要請等対象施設)である。
④休業、営業時間の変更、収容率・人数上限の制限、飲食物提供(利用者による酒類の店内持ち込みを含む)又はカラオケ設備利用の自粛に協力する。


現在の区域一覧は以下の通りです。
『緊急事態措置及びまん延防止等重点措置に係る雇用調整助成金の特例について(区域一覧)』

地域特例の場合、休業実績一覧表の様式にその対象となる施設の種類や、従業員が就業する場所を記載する欄が申請用紙に追加されているので、すべて埋めてください。

添付書類として、以下のものが必要です。

①要請等対象施設の所在地
②その施設の労働者を確認できる書類
※ 催物の開催縮小等を行った場合は、
・開催施設の所在地
・緊急事態措置を実施すべき期間中に催物を開催した、あるいは開催を予定していたことを確認できるもの


飲食店であれば、①店舗の営業許可のコピー②労働者名簿などが例になります。

なお、業況特例と地域特例の両方にぶつかる場合は業況特例を使ってください。

3、雇用調整助成金はいつまで続くのか

現在決まっていることとしては、6月30日まで続くということです。これは6月30日までの期間を1日でも含む支払い期間が対象になるという意味です。つまり、20日締めの会社なら、6月21日~7月20日の給与計算期間まで対象となります。

厚生労働省からは、雇用調整助成金の措置を8月まで延長する旨の発表がされています。正式発表ではありませんが、8月末までは同様の措置が取られると見て良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
雇用調整助成金は5月から業況特例および地域特例が追加され、これら特例に当たれば、現状の支給率が維持され、特例にあたらなければ、支給率が10%減額されます。雇用調整助成金は8月末まで続く見込みです。
(令和3年6月18日現在)

もっとも、ワクチン接種も進む中で、国としては雇用調整助成金の措置の出口をにらんでいるとも言えるでしょう。引き続き、同助成金のニュースに注目していただきたいです。

雇用調整助成金のご相談はハローワークか、お近くの社会保険労務士にご相談ください。

記事のキーワード*クリックすると関連記事が表示されます

メルマガ登録(毎週水曜配信)

SHARES LABの最新情報に加え、
経営に役立つ法制度の改正時事情報などをお送りします。