小規模事業主にこそ知ってほしい!育児・介護休業法の改正について。
労務


令和3年の通常国会で、育児・介護休業法の改正案が原案通りで成立しました。育児・介護休業の制度については、ここ数年で細かな改定が続いておりますので、自社の制度がこれらの改定に沿っているか、改めてご確認ください。

ポイントは「男性の育児休業取得支援」です。男性の育休取得率は5.14%(厚生労働省;平成29年度雇用均等基本調査)と伸び悩んでおり、抜本的な改革が求められていました。

特にこれまで男性のみの職場で育休に縁遠いような会社の場合、今回の改定は非常に大きな影響を与えます。施行は令和4年4月1日以降、随時ということになりますが、今からこの改定について理解し、準備をしておきましょう。

この記事の目次

1、産後に4週間の育休が取得可能。企業は育休取得意志を確認する義務。

まず、男性のための出生後育児休業の制度が新設されます。具体的には出生後8週間以内に4週間まで取得可能です。また、育休の申出期限も現行の1ヶ月から2週間に短縮されます。これにより、急な出産でも、できるだけ速やかに男性も育休に入ることが可能になります。同時に、男女とも2回まで分割で育休を取得できるように改定されます。

この育児休業について、制度の周知と取得の意向確認を個別に取ることが会社の義務となります。意向確認の方法については、これから明らかになっていきますが、確認した結果を会社に残しておくことが大事になるでしょう。

つまり、会社から見れば、育休を取得したい男性社員に制度を隠すことも、止めることもできない、ということになります。

2、育児休業期間中の就業も可能。ただし、労働者が就業条件を申し出る。

労働者と事業主が合意すれば、育児休業期間中でも就労が可能になります。ただし、労働条件は労働者が申し出る必要があります。おそらく、「育児に影響しない時間」に限定された働き方になり、時間外労働や休日労働は期待できないでしょう。

詳細はこれから明らかになるところですが、育休中の就労というのは、制度の抜け道になる可能性が高く、その運用には厳格な手順が求められると思われます。どうすれば育休中の就労が可能になるのか、今後の厚労省などの発表にぜひご注目ください。
その他、労働者1000人超の事業主は対しては、育児休業の取得状況の公表を義務付けています。

3、小規模な会社で考えなければいけないのが代替要員

この改定は、育児休業の取得状況の公表を除き、規模に関わらず、すべての事業者に義務付けられます。小規模事業者における育休時の代替要員確保や雇用環境整備への支援は、既に検討が行われています。

しかし、代替要員が来たところで、「その人がいないと回らない仕事」はまかせられない、というのが小規模事業主の悩みではないでしょうか。

今からできることは、特に育児休業の対象者となりそうな社員で、いないと回らない仕事が無いかどうかのチェックです。もしあれば、早目に育休で不在になることを想定して、マニュアルの作成や別社員の育成などを検討してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。来年施行予定の育児休業の改定により、男性の育休取得がもはや避けられない状況になります。男性の育児参加が求められる社会の要請に企業も応えなければいけない、ということです。

これは推測ですが、この改定に小規模事業者が対応できるように、助成金などもこれから発表されるものと思われます。その意味では、決して会社にとって負担なだけではありません。家庭の協力を得ることで、家族が増えた後も仕事をしやすい環境を作るための試金石と捉えて、前向きに取り組んでいただきたいです。

育児休業に縁遠かった事業主だと、そもそも制度自体に不慣れであるかもしれません。育児休業について、お気軽に社会保険労務士にご相談ください。

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『男性の育児休業取得について知っておくべきこと』

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