もしもの時のために知っておきたい!労災保険の「療養補償給付(療養給付)」
労務


新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初めて労災申請をすることになった現場というのも多いのではないでしょうか?今号では、労災事故発生後にまず申請を検討すべき、労災保険の「療養補償給付(通勤災害の場合には「療養給付」)」を解説します。

この記事の目次

労働者に必要な療養を!「療養補償給付(療養給付)」

労働者が業務上又は通勤により事故に遭ったり、病気にかかったりして療養を必要とするとき、「療養補償給付(療養給付)」が支給されます。
療養補償給付(療養給付)には、以下の2種類があります。

・ 療養の給付:労災指定病院等において、現物支給として無料で治療を受けられる
・ 療養の費用の支給:労災指定病院以外の病院等で療養し、かかった費用全額を立て替え払いした場合、 その相当額の支給を受けられる


「療養の給付」と「療養の費用の支給」、それぞれの手続きについて解説しましょう。

「療養補償給付(療養給付)」の申請手続きは、受診先の病院によって異なる

前述の通り、療養補償給付(療養給付)には「療養の給付」と「療養の費用の支給」がありますが、どちらを請求するかは受診先が「労災指定病院等であるかどうか」によって変わります。

労災指定病院等の場合

労災指定病院等を経由して、「療養の給付」を請求する手続きを行います。会社は「療養補償たる療養の給付請求(様式第5号)」を作成し、被災労働者に渡しましょう。被災労働者は、治療を受ける際に様式第5号を病院窓口に提出します。

参考:厚生労働省「労災保険指定医療機関検索」

労災指定病院等以外の場合

被災労働者(実務上は会社)が、所轄労働基準監督署宛に「療養の費用の支給」の請求手続きを行います。請求手続きに先立ち、まず労働者は治療費を立て替え、その後に申請によって費用の返還を受ける流れとなります。
会社が作成した「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式7号)」に、病院窓口で必要事項の記入・押印を受け、労働基準監督署の窓口に様式7号と領収書を提出します。

療養補償給付(療養給付)はいつまで?

労災保険の療養補償給付(療養給付)によって、被災労働者は自己負担なく治療を受けることができ、これは傷病が「治癒」するまで続きます。ここでいう「治癒」とは「医学的な治療を行っても、それ以上の治療効果が期待できなくなった状態」を指し、「完全に治った状態」とイコールではありません。
ただし、治癒後に身体に一定の障害が残った場合、障害補償給付(通勤災害の場合は「障害給付」)の申請が可能です。

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大を受け、これまで労災事故とはほど遠い様に思われた業種においても対応の必要が生じています。
万が一の際、被災労働者に必要なアナウンスを行い、安心して療養に専念していただけるよう、いかなる事業を展開する会社においても事業様やご担当者様が労災保険を理解しておきましょう。

労災保険の複雑なお手続きに際しては、社会保険労務士のご活用が得策です。

参考:厚生労働省「療養(補償)等給付の請求手続」

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