東京都の就職氷河期世代雇用安定化支援助成金とは?
労務


就職氷河期に就職の機会を逃した等の理由により、正規雇用労働者としての就職が困難な人を、正規雇用労働者として雇用する等の取り組みを行う東京都の企業には、就職氷河期世代雇用安定化支援助成金が支給されます。
今回は、就職氷河期世代雇用安定化支援助成金について、ご紹介致します。

この記事の目次

1.就職氷河期世代とは

就職氷河期世代とは、厚生労働省によると、1990年代から2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った世代のことをいいます。
就職氷河期世代に対する施策や取り組みにより、具体的な該当者は異なりますが、就職氷河期世代に該当をする人には、不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にある、社会参加に向けた支援を必要とする等の問題を抱えた人が多数います。

このような人の問題を解消していくことは、就職氷河期世代に該当をする人のみならず、社会全体としてメリットがあることから、就職氷河期世代雇用安定化支援助成金のように、助成をしてでも企業には雇用に関する協力が求められています。

2.就職氷河期世代雇用安定化支援助成金の対象事業主

助成金の対象とする事業主は、下記を全て満たしている企業です。

①中小企業事業主であること。
➁東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること。
③下記のいずれかに該当していること。
・国の特定求職者雇用開発助成金の支給決定を受けていること。
・公益財団法人東京しごと財団が令和2年4月1日以降に実施する、就活エクスプレス事業、ミドルチャレンジ事業、東京しごと塾事業及び雇用創出、安定化支援事業、ミドル世代正規雇用化支援事業及び雇用安定化就業支援事業の都の就職支援事業を利用し、同事業を都から受託する事業者から職業紹介を受け、対象労働者を正規雇用労働者として採用すること。
④対象労働者を、非正規社員を経ずに、正規雇用労働者として雇用し、採用後、正規雇用労働者として、6ヶ月継続して雇用していること。
⑤交付申請日時点で、対象労働者が在職し、支援可能な状況にあること。
⑥対象労働者の雇入れ日の前日から起算して 6ヶ月前の日から1年間、事業主の都合による従業員の解雇をしていないこと。ただし、下記に該当する場合を除きます。
・当該労働者の責めに帰す理由による解雇
・天災その他やむを得ない理由により事業の継続が不可能となったことによる解雇
⑦東京都政策連携団体の指導監督等に関する要綱に規定する東京都政策連携団体、事業協力団体又は東京都が設立した法人でないこと。
⑧法人の場合は、法人都民税及び法人事業税、個人事業主の場合は、個人都民税及び個人事業税の未納がないこと。未納とは、納付する義務のある者が、定められた期間内に金銭等を納めないことをいいます。
⑨交付申請日の前日から起算して過去5年間に重大な法令違反等がないこと。
➉労働関係法令について、下記を満たしていること。
・従業員に支払われる賃金が、東京都の最低賃金額を上回っていること。
・固定残業代等の時間当たり金額が時間外労働の割増賃金に違反していないこと、また固定残業時間を超えて残業を行った場合は、その超過分について通常の時間外労働と同様に割増賃金が追加で支給されていること。
・法定労働時間を超えて労働者を勤務させる場合は、36協定を締結し、全労働者に対し、協定で定める上限時間を超える時間外労働をさせていないこと。
・みなし労働時間制において、労使協定又は労使の合意で定めた時間が法定労働時間を超える場合、その時間が月80時間以下であること。
・交付申請日の前日から起算して過去6ヶ月の時間外労働の平均が月 80 時間を超える労働者がいないこと。
・令和2年4月1日から交付申請日の前日まで、労働基準法に定める時間外労働の上限規制を順守していること。
・厚生労働大臣の指針に基づき、セクシュアルハラスメント等を防止するための措置を取っていること。
・労働基準法第39条第7項である年次有給休暇について年5日を取得させる義務に違反していないこと。
・その他賃金や労働時間等に関する労働関係法令を遵守していること。
⑪風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第11項に規定する特定遊興飲食店営業、同条第13項に規定する接客業務受託営業及びこれらに類する事業を行っていないこと。
⑫暴力団員等、暴力団及び法人その他の団体の代表者、役員又は使用人その他の従業員若しくは構成員が暴力団員等に該当する者でないこと。

3.就職氷河期世代雇用安定化支援助成金の対象労働者

助成金の対象とする労働者は、下記を全て満たしている人です。

①雇用された日から支援期間終了の日まで、都内の事業所に在籍していること。
➁平成31年4月1日以降に正規雇用労働者として雇用されていること。
③雇い入れ日時点の満年齢が30歳以上60歳未満であること。
④下記のいずれかに該当すること。
・就職氷河期コースの支給対象となった労働者であること。
・都が、令和年2年度以降に実施する就職氷河期世代を対象とした就活エクスプレス事業、ミドルチャレンジ事業、東京しごと塾事業、東京都ミドル世代正規雇用化支援事業、雇用創出、安定化支援事業のいずれかの就職支援事業に参加し、同事業を都から受託する事業者から職業紹介を受け、非正規雇用を経ずに、正規雇用労働者として就職した労働者であること。
⑤上記の就職支援事業に参加する前に雇用の内定を受けていないこと。
⑥雇用された日の前日から起算して3年前の日から雇用された日の前日までの間に、当該雇入れに係る事業所と雇用関係にないこと。
⑦雇い入れに係る事業所の事業主又は取締役の3親等以内の親族でないこと。
⑧派遣労働者の場合は派遣元の事務所が、出向者の場合は出向元の事務所が、テレワーク利用の場合は所属する事務所がそれぞれ都内であること。

4.就職氷河期世代雇用安定化支援助成金の支給額

上記2に該当する企業が上記3に該当をする人を雇用した場合は、対象労働者数に応じて、就職氷河期世代雇用安定化支援助成金が支給されます。

支給額は、対象労働者が1人の場合は30万円、2人の場合は60万円、3人以上の場合は90万円です。
助成金への申請は1年度につき1事業所3回かつ3人を限度とし、1 年度の上限額は 90 万円です。また、※同一の事業主が、同一の対象労働者について、交付決定を受けられるのは 1 回を限度とします。

5.申請期間と申請方法

申請期間は、年に5回あります。


令和3年度は、第1回と第2回は既に終了しており、第3回が8月6日(金)から8月31日(火)、第4回が9月10日(金)から9月30日(木)、第5回が10月8日(金)から10月29日(金)です。

申請方法は、事業実施計画書兼交付申請書を作成し、書類をすべて整えて、各回の交付申請受付期間に、東京都産業労働局に原則郵送で提出を行います。

必要書類や郵送先の詳細等は、東京都就職氷河期世代雇用安定化支援助成金のホームページ等でご確認ください。

6.まとめ

氷河期世代に該当をする人の諸問題は、その本人のみに問題発生の要因があるものではなく、就職氷河期を生み出した社会の責任もあります。そして問題を解決することは、本人の生活を向上させるのみならず、企業では労働力の確保等、社会全体にとっては人々が安定的な収入において生活を送ることによる少子化や犯罪の抑制等、様々なメリットがあります。問題解決の一助として、就職氷河期世代雇用安定化支援助成金ご活用ください。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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