新型コロナウイルスワクチン接種業務に就いても扶養から外れない?!社会保険の特例措置
労務


新型コロナウイルス感染症の影響により、急遽ワクチン接種業務に従事する人もいらっしゃることでしょう。接種業務への従事は社会的な貢献度が高いことから、社会保険の扶養となっている方が接種業務に従事し臨時収入を得ても、扶養から外れないこととなりました。今回はこの社会保険の特例措置について、ご紹介致します。

この記事の目次

1.社会保険の扶養とは

社会保険の扶養とは、扶養条件を満たしている場合に、日本国内に住所を有しており、被保険者により主として生計を維持されている被扶養者であれば、社会保険料を納めずとも、社会保険の給付を受けることが出来る制度です。

①被扶養者の収入要件

年間収入130万円未満かつ、被保険者と同居をしている場合には、収入が被保険者の半分以下、別居をしている場合には、収入が被保険者の仕送り額以下の人が、被扶養者に該当をします。

②同一世帯の要件

被扶養者が被保険者の配偶者、子、孫および兄弟姉妹、父母、祖父母等の直系尊属である場合には、被保険者と同居である必要はありません。

被扶養者が被保険者の上記以外の3親等内の親族、内縁関係の配偶者の父母および子である場合には、被保険者と同居である必要があります。

2.新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事したことによる給与収入の特例

上記のように、扶養に該当をするためには、収入要件を満たす必要があります。しかし、新型コロナウイルス感染症接種業務に従事して得た収入は、この収入要件に含まれる収入として取り扱わないこととされています。

①特例措置の対象者、対象となる収入

特例措置の対象者は、ワクチン接種業務に従事する医療職の人であり、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士および救急救命士が該当をします。

対象となる収入は、令和3年4月から令和4年2月末までの期間において、新型コロナウイルスワクチン接種業務により得た収入です。

②特例措置に伴う対応

扶養認定時における被扶養者届、第3号被保険者関係届の記載方法等については、認定対象者の収入欄に記載する今後1年間の年間収入見込額は、ワクチン接種業務による収入見込額を除いた金額を記載します。届出にあたり添付する収入額が確認できる書類に、ワクチン接種業務による収入額が含まれている場合には、届書の扶養に関する申立書欄に、ワクチン接種業務に医療職として従事した旨および当該業務による収入額を記載します。

現在、被扶養者となっている人であって、新型コロナウイルスワクチン接種業務により収入が増え、年間130万円を超える見込みであっても、当該業務により得た収入を除いた額により引き続き被扶養者に該当するか判断することになります。

3.所得税の扶養は別途の取り扱いに注意

今回ご紹介致しました特例は、社会保険の扶養に関することです。所得税の扶養の収入判定においては、新型コロナウイルスワクチン接種業務により得た収入を含めての金額によりますので、注意が必要です。

収入が給与のみの場合は給与収入が103万円以下の場合は、所得税法上の扶養に該当をしますが、新型コロナウイルスワクチン接種業務により得た収入が給与であり、103万円を超える場合には、扶養親族から外れます。

4.まとめ

社会保険料の負担の観点から、意識的に給与収入を130万円未満におさめている人が多くいらっしゃいます。しかし、この特例があることにより、収入が扶養の範囲を超えることが予測出来るために、新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事することをためらう必要はありません。社会的に積極的な従事が期待されています。
ご不明な点がございましたら、身近な専門家に相談されることをお勧め致します。

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