意識できていますか?上司や部下、同僚の「つながらない権利」
労務


「就業時間外の業務連絡のやり取りに」ついては、労働時間の長時間化が深刻化する中、かねてより問題視されているテーマでした。そんな中、このコロナ禍で広がったテレワークにより仕事と私生活の切り替えが難しくなったことを受け、労働者にはこれまで以上に「就業時間を意識すること」が求められています。今、働く人の「つながらない権利」について、改めて考えてみましょう。

この記事の目次

各人のプライベートを尊重する「つながらない権利」

ご自身のやるべきことを早く片付けたいがあまり、つい無意識のうちに、就業時間外にメールを送ってしまうこともあるのではないでしょうか?
送信する側は、必ずしもすぐの返信を求めているわけではないかもしれません。しかしながら、仕事のメールを自宅で確認できてしまうと、受け取る側によってはメール受信後にそのまま仕事をすることになってしまうこともあります。仮に仕事をしなかったとしても、頭が仕事モードになれば就業時間外に十分にリラックスできなくなってしまうでしょう。
こうした状況下で求められるのが、プライベートの時間において会社や仕事とのつながりを遮断する「つながらない権利」を、労働者各人が相互に尊重し合える心遣いです。

厚労省のテレワークガイドラインにも、「つながらない権利」に関わる記述

「つながらない権利」は、すでに諸外国では法制化されている労働者の権利のひとつです。2016年に法整備が進められたフランスを皮切りに、コロナ禍においてはEU加盟国やメキシコ、アルゼンチンでも同様の動きが見られています。
日本ではどうかというと、法制化には至っていないものの、諸外国の流れを受け、2021年3月改定のテレワークガイドラインに「時間外のメール送付抑制」に関わる記述が盛り込まれました。

“メール送付の抑制等
テレワークにおいて長時間労働が生じる要因として、時間外等に業務に関する指示や報告がメール等によって行われることが挙げられる。このため、役職者、上司、同僚、部下等から時間外等にメールを送付することの自粛を命ずること等が有効である。メールのみならず電話等での方法によるものも含め、時間外等における業務の指示や報告の在り方について、業務上の必要性、指示や報告が行われた場合の労働者の対応の要否等について、各事業場の実情に応じ、使用者がルールを設けることも考えられる。”


出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」

適正な就労管理も、行き過ぎると「リモハラ」に

「つながらない権利」は「就業時間外」のプライベートな時間の確保のために保障されるべきものであり、これにより、労働者は「就業時間外の業務連絡」等の会社とのつながりを遮断することができます。

一方、就労時間内については、会社は遠隔で仕事をする労働者の就労状況や仕事の進め方を管理する必要がありますが、これも度を超えれば「リモートハラスメント」になるため注意が必要です。

リモートハラスメントの典型といえば、オンライン会議時等に相手画面に映りこむプライベートに関わる指摘や干渉が挙げられますが、「過度の監視」等により精神的に過度の圧迫感を与えることもリモハラの一種となります。テレワーク時の就労管理は会社にとって頭を悩ませるポイントですが、「就業中はWEBカメラを常時オンにしておくように」との命令は過度の監視に該当する可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

「つながらない権利」は、ハラスメント関連同様、どうしても個々の考え方や解釈が色濃く出るテーマだと思います。だからこそ、会社としての統一的なルール、基準を設けることで、各人が一定の配慮を心がけられるようにしておくのが得策です。「つながらない権利」については、労務管理の専門家である社会保険労務士に、お気軽にご相談ください!

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