JR東日本「新幹線オフィス車両」サービスを開始!今一度考えるべき、「移動中の仕事」に関わる労務管理
労務


JR東日本が繁忙期を除く平日に運行する一部の新幹線の8号車を、車内でリモートワークをしたい人向けのオフィス車両とするサービスが、2021年11月22日より開始されました。こうしたサービス展開を受け、企業では、「移動中の仕事を許容するかどうか」、併せて「許容する場合の労務管理」について十分に検討し、ルール化しておくことをお勧めします。

この記事の目次

JR東日本が開始した「新幹線オフィス車両」とは?

年末年始やGW、お盆時期を除く平日に運行する東北・北海道・上越・北陸各新幹線の8号車が、「オフィス車両」として利用できるようになりました。オフィス車両では、座席での通話やWEB会議への参加が可能となります。追加料金はかからず、乗車券・新幹線特急券等のみで利用できるようです。
新幹線オフィス車両利用にあたっての細かなルールや、2021年12月以降開始されるリモートワーク支援ツールの貸出等については、以下よりご確認いただけます。

参考:JR東日本「新幹線オフィス車両(8号車)座席でリモートワーク」

移動中の仕事は原則「業務命令によるもの」とすべき

ところで御社には、従業員が移動中に仕事をする際のルールがあるでしょうか?「そもそも出先で仕事をすることを認めていない」というケースも少なくないかもしれませんが、特にルールを定めているわけではないが個々の判断に任せている、黙認しているという場合もあるでしょう。

後者の場合、今一度考えていただきたいのが、「移動中の仕事に潜む」リスクです。
例えば、御社の従業員が新幹線の車内で企画書のデータを開いていたとして、隣に座ったのが御社の競合企業の社員だったとしたらどうでしょうか?あるいは、移動中の就業について会社側が労務管理を怠っていた場合、頻繁に出張する従業員から、移動中の業務遂行に関わる賃金をある日まとめて請求される可能性もゼロではありません。

今やパソコンさえあればどこにいても仕事ができるようになりましたが、だからと言って、従業員の裁量に任せていつでもどこでも自由に仕事をさせることは避けた方が無難です。移動中の仕事を認める場合には、原則「業務命令によるもの」に限定し、移動中に行っても差支えない、機密情報を扱わないもの等を管理者が指示して遂行させるのが大原則です。

移動中の仕事を認めるにあたり、必要なルールとは?

移動中の仕事についてのルールを決める際には、「情報セキュリティ」と「労務管理」の2つの観点から検討を進める必要があります。

情報セキュリティ面では、大前提として「セキュリティ対策を万全にしておくこと」。ウイルス感染やシステムの不正アクセス、個人情報等の漏洩、災害などによる機器障害に備え、あらかじめ企業方針に沿った規則を定めておくことが肝心です。併せて、情報漏洩に関わる罰則規定については周知徹底し、従業員の意識を高めておきます。その上で、「社外での情報管理を徹底させること」。「業務を中断する際には、必ず書類やパソコンをカバンにしまう」「離席時には、書類やパソコンをカバンに入れて必ず携帯する」等、携行品の管理を徹底させると共に、「混み合った場所では機密事項を取り出さない」等、情報漏洩のリスクにも十分配慮させるようにしましょう。

労務管理面では、「移動中の業務遂行について、申請・承認、報告のフローを作っておくこと」、その上で従業員への「適正な手順を経た業務のみ労働時間とみなす」旨の周知と、管理者による従業員個々の業務量、労働時間管理を行います。併せて、労働時間を適正に把握する方法についても考えておきましょう。タイムカードや出勤簿を用いた従来型の勤怠管理では、移動中の労働時間の把握に対応できません。クラウド型の勤怠管理システムの導入等を進め、遠隔での労働時間についても客観的に把握できるように準備しましょう。

まとめ

働き方改革の推進、さらには新型コロナウイルス感染症への対応の中で、確実に多様化する私たちの働き方。こうした流れに対応すべく、企業はあらかじめ必要なルールを整備し、あらゆるリスクに備えておかなければなりません。就業規則の作成・見直しは、の専門家である社会保険労務士にお任せください!

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