2022年4月より順次施行される改正育児・介護休業法!実務対応に伴う疑問をQ&Aで解決
労務


改正育児・介護休業法の施行を来年に控え、現場での準備は進んでいるでしょうか?すべての改正項目が一度に施行されるわけではないとはいえ、2022年中は何かと対応に悩まれることも出てくるものと思われます。
厚生労働省は、2021年11月30日付で改正育児・介護休業法に係るQ&Aを公開しています。弊事務所宛てによく寄せられるご質問への回答も盛り込まれておりましたので、今号ではピックアップしてご紹介しておきましょう。

この記事の目次

「育児休業取得を控えさせるような言動」とは?

改正育児・介護休業法では、「妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置」が義務付けられましたが、これについて「取得を控えさせるような形で実施することは認められない」とされました。
ここで問題になるのが「どのような言動が、取得を控えさせるような形と捉えられるのか」です。

この点、政府のQ&Aでは、以下の具体例が示されています。

× 取得の申出をしないよう威圧する
× 申し出た場合の不利益をほのめかす
× 取得の前例がないことをことさらに強調する


パワハラ防止措置義務化との兼ね合いもあり、労働者に対する言動には一層気を付けていきたいところですが、育児休業取得への対応時も例外ではありません。個別周知や意向確認に携わる管理職等への研修実施、マニュアルを元にした対応の徹底等により、不適切な言動がない様にしておくと良いでしょう。

当初の意向確認では「取得希望なし」としていても、その後の取得申し出は拒めません

このたび会社に義務付けられた「個別の周知・意向確認の措置」に関連してもう一つ、「意向確認後の希望変更」に係る対応についても理解しておきましょう。

会社側が労働者に対し、法の定めに基づき育児休業の意向確認をした際、労働者が「育児休業は取得しない」と伝えてきたとします。しかし、労働者がその後「やっぱり育児休業を取得します」と言ってきた場合、会社は労働者の育休取得を拒むことはできるのでしょうか?

答えは「育児休業の申し出を拒むことはできない」です。


当初の意向に関わらず、労働者は法に基づき育児休業の申出・取得ができます。

本事例は、実際に出産を迎える女性労働者よりも、男性労働者に比較的想定しやすいシチュエーションかと思います。もちろん、育児休業の取得は法に認められた労働者の権利として尊重されるべきではありますが、会社側は業務の都合上、労働者側の急な意向変更に戸惑われることは必至です。「取得しない」とした労働者に対しては、直属の上司等は日頃のコミュニケーションを通じて、意向変更の可能性を探っておけるのが安心です。

出生時育児休業(産後パパ育休)の2分割取得は「当初に申し出」が原則

このたび新設される「出生時育児休業(産後パパ育休)」は、子の出生後8週間以内に4週間を上限とする休業の取得が可能であり、この休業は2回に分割できることになっています。

ただし、出生時育児休業を分割して取得する場合は、初回の出生時育児休業の申出の際にまとめて申し出ることが原則となっている点に注意が必要です。労働者が1回目の出生時育児休業の申出をした後日に2回目の申出をした場合、事業主は2回目の取得については拒むことができます。

このあたりは労使トラブルの火種となりそうな取扱いですので、あらかじめ労働者に十分説明をしておける様、準備しておきましょう。

参考:厚生労働省「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和年3年11月30日時点)」

まとめ

法改正対応としてどんなに丁寧に条文やリーフレットを読み込んだつもりでいても、いざ実務となると「こんな時にはどうするんだろう?」と頭を悩ませる場面が必ず出てくるもの。
こうした時に、誤った法解釈や思い込みで対応するのは非常に危険です。
今号でご紹介したような政府のQ&Aの他、専門家へのご相談も活用されながら、適切な対応を心がけてまいりましょう!

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