社会保険労務士の個人事務所と法人の違いとは。社労士事務所の選定をする時に知っておきたいこと。
労務


社会保険労務士の事務所には大きく「個人事務所」と「法人」の2つに分かれます。この違いについて、ご存知でしょうか。

ここでは、社会保険労務士への仕事をこれから依頼しようとしている方に、この2つの違いや、選定でチェックすべきポイントをお伝えいたします。社労士の選定の際の参考となれば幸いです。

この記事の目次

1、法人だからと言って、必ず大きい事務所なわけではない。

もちろん、社会保険労務士法人とは法人格のある事務所ということになります。個人事務所に対して、法人はいわば会社にあたるという認識で間違いありません。

会社というと、複数の社員がいて、個人事務所に比べて大きいイメージになるでしょう。法人化する大きなメリットは、その規模感から得られる信頼性です。社労士事務所のほとんどは個人事務所から始まります。法人にできる規模、売上が伴って、初めて法人化を検討するわけですから、個人事務所よりも規模・売上が大きいことは想像に難くありません。

ところが現在、社会保険労務士法人は1人の社労士でも設立することが認められています。なお、以前は2人以上の社労士がいないと認められていませんでした。

つまり、必ずしも法人と名前がついているからと言って、大きな会社になっているとは限らないのです。もちろん、法人になると支店を作ることができるなどメリットがあるので、法人格の方が、規模が大きい可能性は高いのですが、個々に見ると、小さな社会保険労務士法人もたくさんありますので、規模に注目されている方はご注意ください。

2、費用の支払い方に違いが出る。

社会保険労務士法人と個人事務所との違いに、所得税の源泉徴収の違いがあります。例えば、30,000円の顧問料を支払う場合、法人であれば消費税をつけて33,000円を支払います。一方で個人事務所であればそこから源泉徴収します。30,000円×10.21%(100万円を超えると20.42%)=3,063円を控除しますので、33,000-3,063=29,937円が支払い金額となります。

もちろん、源泉徴収した3,063円はご自身が税務署に社員の給与と一緒に支払う必要があります。つまり、負担する額は変わりませんが、その支払い方法が変わってくることになります。個人事務所の方がひと手間増えることになります。

3、個人事務所と法人でそれぞれメリット・デメリットがある。

では、どちらが良いかというと、これは一概に言えません。個人事務所のメリットは何よりも、一番信頼している「その人が担当してくれる」安心感ではないでしょうか。しかし、これは一人で法人を運営している方にも言えますし、逆に複数の社労士で活動している個人事務所もありますので、注意は必要です。

実際に依頼者の会社を担当する窓口の方は、どんなに大きな法人でも1人か2人なので、その担当者との信頼関係が仕事を進めていくうえで重要なことは言うまでもありません。大きな法人だと、法人事務所の経営者が立派でも、実際の担当者との実力のギャップに苦しむことがあります。

一方で、法人の場合は、その業務の継続性がメリットになります。担当者の退職など、何かそれまでの担当者にトラブルがあっても、会社としてのフォローが期待できるでしょう。こちらも継続性に難のある一人法人や複数社労士の個人事務所もありますので、同様に注意は必要です。

大事なのは、その事務所が「個人事務所」なのか「法人」かなのではなく、その事務所が何を強みにしていて、何が問題となるのかを見極めることです。完璧な事務所などありません。ご自身が何を重要視しているのかを検討し、その重要性を満たしている事務所を選定してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

・法人の方が個人事務所より規模が大きい可能性が高いが、必ずしもそうなるとは限らない。
・法人と個人事務所では、費用の支払い方法が変わってくる。
・大事なのは個人か法人かではなく、依頼者が何を重要視して選定するか、決めること。


法人か個人事業所かというのは、一つの経営形態にすぎません。社労士事務所は法人・個人に関わらず、様々な個性があります。その個性を見極めたうえで、自身が重要視するポイントに合致するかどうかで選定をいただきたいと思います。

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