労働・社会保険分野で、2022年4月から何が変わる?
労務

4月を迎え、早一週間。新年度の始まりということで、何かと慌ただしく過ごされている方も多いのではないでしょうか?さて、4月といえば「変化の月」ということで、身近なところでは「食品の値上げ」が話題になっていますね。社労士の専門である年金・労働分野でも変わったことがあります。今号では、皆さんに特に関わりの深い「年金」「雇用保険」「育休」をテーマに、主だった変更点をピックアップしてご紹介します。

参考:厚生労働省「厚生労働省関係の主な制度変更(令和4年4月)について」

この記事の目次

国民年金の保険料が20円引き下げ、年金額は0.4%引き下げ(ともに1ヵ月あたり)

まずは、年金の「保険料」「受給額」が変更となっています。

・ 毎月の国民年金保険料について、2021年度の16,610円(月額)に対し、2022年4月から2023年3月までは16,590円(月額)となり、20円引き下げられます。

※ちなみに、厚生年金保険料率は、年金制度改正に基づき2004年から段階的に引き上げられてきましたが、2017年9月を最後に引上げが終了し、現状18.3%で固定されているため変更はありません。健康保険料率については、2022年3月分(4月納付分)より各都道府県で引き上げ、引き下げが生じていますのでご確認ください。

参考:協会けんぽ「令和4年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」

・ 年金受給者となった際に受け取ることのできる老齢基礎年金について、2022年度は64,816円(月額、満額の場合)となります。ちなみに、2021年度の6万5075円(月額、満額の場合)と比較すると0.4%の引き下げとなります。

その他、働くシニア世代のライフプランに影響する「年金受給開始時期」「在職老齢年金制度」に関わる見直しが行われています。

・ 現在60歳から70歳の間となっている老齢年金の受給開始時期が、60歳から75歳の間に拡大されます。

・ 60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金の受給者を対象とした在職老齢年金制度の支給停止基準額が、「28万円」から「47万円」に引き上げられます。

雇用保険料が4月と10月の2段階で引き上げ

事業主と働く皆さんが毎月納める雇用保険料額が、段階的に引き上げられます。

・ 2022年4月~9月は、雇用調整助成金等の原資となる「雇用保険二事業」の保険料率のみ「0.5/1000引き上げ」(事業主負担分のみ増額、労働者負担分は2021年度据え置き)となります。

・ 2022年10月~2023年3月は、「失業等給付」「育児休業給付」の保険料率が4/1000引き上げられ、「労働者・事業主負担ともに2/1000引き上げ」となります。

※関連記事:
「2022年度雇用保険料率は2段階で引き上げ!年度更新や給与計算への対応に注意」

育休制度についての個別周知と意向確認、取得促進に向けた環境整備の徹底が義務化

2022年度は、働く人の仕事と育児の両立支援がぐんと進められる年となります。特に「男性の育休制度活用」「不妊治療と仕事の両立支援」は2大テーマとされ、これまでのくるみん認定制度が大きく変わりました。

参考:厚生労働省「子育てサポート企業「くるみんマーク」が新しくなります!新たな認定制度「トライくるみん認定」・不妊治療と仕事との両立企業に「プラス」もスタート!」

※関連記事:
「2022年4月より変わる!「くるみん」「プラチナくるみん」の認定基準」

また、企業においては育児休業制度等の個別の周知と意向確認、育児休業を取得しやすい雇用環境整備が義務付けられています。現場において、対応に向けた準備は完了しているでしょうか?

※関連記事:
「2022年4月施行!改正育児・介護休業法 「雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化」への対応策」

ちなみに、話題となっているいわゆる「男性版産休(出生時育児育児休業)」は2022年10月よりスタートする制度です。

※関連記事:
「「男性版産休」を盛り込んだ改正育児・介護休業法が成立!2022年10月施行へ」

まとめ

何かと慌ただしい季節ではありますが、新年度から変わることに留意し、対応すべきことに目を向けましょう。今号では触れませんでしたが、企業において重要なところでは「職場におけるパワーハラスメント防止措置の中小企業事業主への義務化」も挙げられます。毎年改正が生じる労働・社会保険分野への企業対応については、専門家である社会保険労務士にご相談ください。

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