深刻化する「若手の早期離職」。人材定着に取り組む中小企業は、助成金を活用した「人への投資」に注目
労務


4月に新たに仲間に加わった新入社員も、入社から1ヵ月ほどが経ち、少しずつ周囲の環境になじんできた頃だと思います。一方で、ゴールデンウィーク明けのこの時期には、5月病による心身の不調者が増加する傾向にありますから、社員に変わった様子がないか、特に注視する必要があります。

さて、今号で解説するのは、2022年4月に新設された人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」について。企業が人材育成に積極的に取り組むことが、現状少々元気のない従業員の前向きな気持ち、仕事へのモチベーションを回復させるきっかけになるかもしれません。

この記事の目次

新入社員の約半数が、「5年以内に会社を辞めたい」と回答

日本企業においては、かねてより、若手の早期離職が問題となっています。ソニー生命が実施した「社会人1年目と2年目の意識調査2022」によると、社会人1年生(500名)の約半数が、最初に就職する会社で働きたい期間について、「5年以内」と回答していることが分かっています。


ソニー生命意識調査①
出典:ソニー生命保険株式会社「社会人1年目と2年目の意識調査2022」

昨今、少子高齢化による働き手不足が深刻化し、企業においては「人材確保」への取り組みが強化されているところではありますが、一方で「人材定着」の観点での取り組みも併せて検討していくべきではないでしょうか?

若手は「スキルアップ」を求めている!中小企業において人材定着策のひとつとなる「人への投資」

ひと口に「人材定着」といっても様々な手法があり、現場の実情を考慮しながら効果が期待できる取り組みを講じていく必要があります。若手の早期離職対策という観点では、「人への投資」もまた、選択肢の一つとなり得ます。
というのも、前出の意識調査では、社会人1年目の若手が「やりたいこと」として挙げた回答のうち、「スキルアップ」が上位に浮上しているからです。

ソニー生命意識調査②
前項の通り、今の若手は必ずしも一つの会社での長期勤務を想定していないことが明らかになっていますが、一方で、「スキルアップ」の他、「仕事に励む」「仕事を楽しむ」ことを求める気持ちを持っていることが分かります。転職を通して、これらを叶えようとしている可能性は大いにあるでしょう。

よって、今後、若手の人材定着策を考える上では、「仕事が続かない」「仕事に対してやる気がない」ことを前提にするのではなく、むしろ会社内でスキルアップや仕事に夢中になれる、楽しめるようになるような取り組みに目を向けていく必要があるのではないでしょうか。

中小企業の実情を踏まえ、幅広い活用が想定される「人材開発支援助成金 人への投資促進コース」

とはいえ、人的にも資金的にも限られた中小企業では、人材育成への取り組みといっても容易ではないと思います。そこで活用したいのが、人材開発支援助成金です。人材開発支援助成金とは、労働者の職業生活設計における段階的かつ体系的な職業能力開発の効果的な促進を目的に、事業主が実施した訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度。2022年4月に大幅な改正が実施されているため、すでにご確認いただいている事業主様も多いかもしれませんが、特筆すべきは「人への投資促進コース」の新設です。

このコースでは、「定額制訓練」(サブスクリプション型の研修サービス)が助成対象となっており、中小企業においては助成金を活用した人材育成に取り組みやすくなるものと思われます。
以下よりコース詳細をご確認いただき、若手育成への活用を検討されてみてはいかがでしょうか?

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)」

まとめ

人材開発支援助成金を上手くご活用いただき、従業員の会社に対する信頼向上、離職率低下にお役立ていただければと思います。ただし、本文でも触れたとおり、本助成金は今春大幅に改定され、各コースの内容に変更が生じています。まずは、雇用関係助成金の専門家である社会保険労務士にお気軽にご相談ください。

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