2022年5月1日より、コロナ理由による労働時間減少を「特定理由離職」扱いに
労務

コロナ禍も3年目を迎え、社会全体を見渡してみれば少しずつ経済活動が回復しつつあると感じられる一方、業種、業態によってはまだまだ影響を受け続ける現場も少なくありません。このような状況を踏まえ、2022年5月より、コロナ禍の離職者に関わる取り扱いに変更が生じています。さっそく概要を確認し、従業員の退職時には適正な取り扱いができるようにしましょう。

この記事の目次

コロナの影響による労働時間減少は、「特定理由離職」に該当します

2022年5月1日以降の離職者について、以下に該当する方は「特定理由離職者」として取り扱われます。

新型コロナの影響で事業所が休業し、概ね1ヵ月以上の期間、労働時間が週20時間を下回った、 または下回ることが明らかになったことが理由で離職した者


事業所の休業については、部分休業(一日の勤務時間の一部について勤務しないこと)の場合や、休業手当の支払いを受けていた場合も含みます。
「特定理由離職者」として取り扱われることで、雇用保険求職者給付を受ける際に通常設定されている7日間の待機期間及びそれに加えて給付制限期間が、「7日間の待機期間のみ」となります(給付制限を受けません)。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の影響で事業所が休業し、労働時間が減少したことにより離職された方の取扱いについてお知らせします」

シフト労働者については、2021年3月31日以降の離職について特例あり

また、シフト制で働く労働者で以下に該当する方については、すでに2021年3月31日以降、「特定理由離職者」として取り扱い、雇用保険求職者給付の給付制限期間を受けないこととされています。

新型コロナウイルス感染症の影響により、本人の希望以外の理由でシフトが減少し、概ね1ヵ月以上の期間、労働時間が週20時間を下回った、または下回ることが明らかになった ことにより離職した者


また、シフト制労働者で、以下に該当する方は「特定理由離職者」または「特定受給資格者」として認められる場合があります。この場合、給付制限を受けないことに加え、基本手当の所定給付日数が手厚くなることがあります。

具体的な就労日数が労働条件として明示されている一方で、シフトを減らされた場合


契約更新時に従前の労働条件からシフトを減らした労働条件を提示されたため、更新を希望せずに離職した場合



参考:厚生労働省「新型コロナウイルスの影響によりシフトが減少したことにより離職した方の取扱いについてお知らせします」

離職票交付手続きでは「離職理由」に関わる離職者本人への確認あり

離職理由とこれに伴う「特定受給資格者」「特定理由離職者」等の取扱いについては、従業員が退職後に受け取ることのできる求職者給付に関わる重要なポイントです。離職票交付申請に際しては、労使間で認識に齟齬がないよう、細心の注意を払う必要があります。

もっとも、離職票交付に際し会社が作成する離職証明書の内容(離職日や退職前の賃金支払状況、離職理由)については原則、ハローワークへの提出前に退職者の確認・署名が必要です(電子申請の場合は、退職者に異議の有無を記載し、署名・押印を求める確認書の添付が必要です)。会社側がこの確認作業を省略し、勝手に手続きをしてしまうケースを散見しますが、退職トラブルの火種となりますので、必ず確認してもらいましょう。

まとめ

労働・社会保険関連のコロナ特例はいくつもありますが、一つひとつに的確に対応してまいりましょう。労働・社会保険手続きの専門家である社会保険労務士をご活用いただくことで、何かと煩わしい事務処理の負担軽減を図ることができます。手続き関連でお困りの会社は、ぜひご相談ください。

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