<2022年度労働保険年度更新>同一年度内の雇用保険料率変更に伴う概算保険料の算定方法を確認
労務


5月も下旬にさしかかり、毎年恒例、労働保険年度更新の季節がやってまいりました。今年度は、例年通りの手続きに加え、年度途中での雇用保険料率変更に伴う概算保険料の記入方法等の変更点についても確認が必要となります。すでに公開されている2022年度版「労働保険年度更新申告書の書き方」を参考に、今年度の労働保険年度更新の手順を理解しましょう。

この記事の目次

労働保険料は年に一度、前年度分の確定・清算と今年度分の概算支払が行われています

まずは今年度初めて年度更新を担当される方に向け、「労働保険年度更新とは?」について解説しておきましょう。労働保険年度更新で行うことは、以下の2点です。

・ 既に納付済みの前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付
・ 新年度の概算保険料を納付するための申告・納付


2022年度の年度更新では、「2021年4月1日~2022年3月31日の労働保険料の清算」と「2022年4月1日~2023年3月31日の労働保険料の概算納付」が行われます。

毎月納付する社会保険料(健康保険・厚生年金)と異なり、労働保険料(労災保険・雇用保険)は年に一度の「年度更新」によって申告・納付する仕組みとなっています。2022年度の申告期間は、6月1日から7月11日までとなっています。

同一年度内の雇用保険料率変更に伴う対応

2022年度の労働保険年度更新における留意点として、「同一年度内の雇用保険料率変更に伴う概算保険料の記入」があります。

概算保険料の算定において、賃金総額が大きく変更しない場合には、前年度の賃金総額を当年度の概算保険料額の計算の基礎とすることが可能となっています。これに準じ、2022年度の賃金総額の見込額が2021年度の賃金総額の2分の1以上2倍以下の額となる場合、概算雇用保険料算定時には「2021年度の賃金総額の2分の1の額を上期・下期の賃金総額」とし、それぞれ上期・下期に適用される雇用保険料率を掛け合わせた額を合算する取り扱いとなります。

<計算例> 賃金総額の見込み額が78,083千円の場合
・ 労災保険分
78,083千円 × 3.00/1,000 = 234,249円

・ 雇用保険分
78,083千円 ÷ 2 = 39,042千円(端数切り上げ)+ 39,041千円(端数切り捨て
2022年度上期 39,042千円 × 9.5/1,000 =370,899円
2022年度下期 39,041千円 × 13.5/1,000 =527,053.5円
2022年度概算雇用 保険料 370,899円 + 527,053.5円=897,952円(端数切り捨て)

・ 労働保険料
2022年度概算保険料 234,249円〈労災保険分〉+ 897,952円〈雇用保険分〉= 1,132,201円

労働保険年度更新の手順を総復習

労働保険年度更新は、毎年のことながら、実際に取り組んでみると細々とした疑問が生じるものです。また、年度に応じて変更点があるため、必ず最新版マニュアルを参照しながら進める必要があります。労働保険年度更新マニュアルは、事業場宛に送付される申告書に同封される他、厚生労働省のウェブサイトより閲覧可能です。円滑に準備を進めるために、年度更新の手順を確認の上、今から取り組める準備を進めましょう。

参考:厚生労働省「2021年度事業主の皆様へ(継続事業用)労働保険年度更新申告書の書き方」

1.算定基礎賃金集計表を作成する

① 前年度に使用した全労働者(パート・アルバイトなどもすべて含む)の賃金台帳を用意する

② 役員等について労働者性の有無を確認する
⇒代表者や役員報酬のみが支払われている役員は対象外です。兼務役員については、役員報酬以外の労働者としての賃金部分のみ算定賃金に含めます

③ 高年齢労働者、パートタイム労働者等の雇用保険の被保険者資格を確認する
⇒雇用保険の被保険者資格のない方でも、「労災保険・一般拠出金」の対象となるため、集計して、算定基礎賃金集計表の所定欄に記載します

④ 労災保険と雇用保険それぞれの対象労働者の人数と賃金を集計する

2.申告書を作成する

① 「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」で算出した算定基礎額を転記し、確定保険料と一般拠出金の額を計算する

② 今年度賃金見込額を元に概算保険料についても計算する
※2022年度は年度途中で雇用保険率が変更される予定のため、申告書の概算・増加概算保険料算定内訳の⑬保険料率欄には、労災保険率のみが印字されている点に注意が必要です

③ 確定保険料額と昨年度申告した概算保険料額(申告済概算保険料額)との過不足を計算し、今年度概算保険料と併せて支払う額又は充当額を考慮し、納付保険料額を算出する

3.期間内に申告・納付する

2022年度の申告・納付期限は、6月1日~7月11日です。提出先は労働局、労働基準監督署又は金融機関・郵便局等となります。

まとめ

年度更新手続き上、賃金集計や見込額の検討に関しては特に時間を要する部分ですから、5月中に済ませておけると申告書作成がスムーズに進みます。

2021年4月1日から2022年3月31日までに使用した全ての労働者に支払った賃金総額の算出


2022年4月1日から2023年3月31日までに使用する全ての労働者に支払う予定の賃金総額の検討


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