常時雇用労働者301人以上の事業主を対象とする、「男女賃金格差の開示義務化」が今夏施行の見込み
労務


すでに報道等でご存知の方も多いと思いますが、企業など法人に男女別賃金の開示を義務付けるよう省令を改正する方針が示されました。今夏にも施行の予定とのことで、対象となる常用雇用労働者301人以上の事業主様は準備を進める必要がありそうです。

この記事の目次

企業等に課せられる「男女賃金格差の開示義務」の概要は?

202年5月20日に開催された「新しい資本主義実現会議」では、幅広く「人への投資」に係る論点が挙げられましたが、そのひとつに「男女賃金格差の開示義務化」がありました。論点案によると、「男女の賃金の差異の解消を図っていくため、少なくとも大企業については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合の開示を早急に義務化するべきではないか」との記載があり、具体的な開示ルールが6月に取りまとめる実行計画に盛り込まれる見込みです。

現段階では、常用雇用労働者301人以上の事業主に対し、女性活躍推進法に基づく開示の必須項目として「男性の賃金に対する女性の賃金割合(正規・非正規の雇用形態別)」を追加する方向が示されています(2022年5月27日時点)。

今後、詳細が公表され次第、SHARES LABにてお知らせします。

参考:内閣官房「新しい資本主義実現会議(第7回)」

2022年4月、常用労働者101人以上の事業主が女性活躍推進法上の一般事業主行動計画策定・届出の義務対象に

ところで、女性活躍推進法は、「働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会」の実現を目的として、事業主に「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出」「女性活躍推進に関する情報公表」を義務づけています。対象企業は、2021年度までは「常時雇用する労働者が301人以上の事業主」とされていましたが、2022年4月1日より「常時雇用する労働者数が101人以上300人以下の事業主」も対象とされました。
現状、企業に求められる女性の活躍に関する情報公表の内容については以下の通りとなっています。

企業に求められる女性の活躍情報公表

常時雇用する労働者数301人以上の事業主


上図の①と②の区分から、それぞれ1項目以上選択して2項目以上情報公表する必要あり

常時雇用する労働者数101人以上300人以下の事業主


以下の項目から1項目以上選択して情報公表する必要あり

前述の通り、今夏より新たに、「男女賃金格差」に関わる項目が女性活躍推進法に基づく開示の必須項目に追加されるとのことで、常用労働者数301人以上の事業主に対する情報公表内容には変更が生じることとなります。
「男女賃金格差」について、雇用形態別の情報を整理されておきましょう。

先進国の中でも、日本における男女間賃金格差は一目瞭然。解決策は?

202年5月20日開催の「新しい資本主義実現会議」で示された基礎資料によると、日本のフルタイム労働者の男女間賃金格差は他の先進国と比較しても高い水準にあること、さらに日本の管理職に占める女性の割合は13%と他の先進国と比較して低い水準となっていることが分かります。

男女間賃金格差の国際比較
管理職に締める女性の割合の国際比較
このたび打ち出された「男女賃金格差の開示義務」は、こうした状況の打開策の一環となり得るものです。とりあえず数値を示せば良いというわけではなく、情報公表を通して各現場での課題の抽出・改善に向けた検討が進められていくことが期待されます。女性のキャリア形成や両立支援、男性の家庭参加をサポートできるような職場風土の醸造、環境整備等、各社の今後の展開に注目が集まりそうです。

まとめ

「男女賃金格差」に関わる具体的な数字は、日本における様々な労務課題の象徴となる指標です。各現場でこれをどう捉え、取り組みにつなげていくか、「男女賃金格差の開示義務化」への対応の中でご検討いただきたいと思います。女性活躍推進を踏まえた人事制度構築に関するご相談は、SHARES公認の社会保険労務士までお寄せください!

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