くるみん認定に追加された「プラス認定」とは?より一層求められる、不妊治療と仕事の両立支援
労務


2022年4月よりくるみん認定基準が改正されたことは既にSHARES LABでも解説した通りですが、今回の改正では新たな認定制度「プラス」が追加されており、こちらも注目すべき改正ポイントとなっています。今号では、不妊治療と仕事との両立に取り組む企業のための新設認定「くるみんプラス」「トライくるみんプラス」「プラチナくるみんプラス」について理解を深めましょう。

関連:「2022年4月より変わる!「くるみん」「プラチナくるみん」の認定基準」

この記事の目次

くるみん認定+不妊治療支援に向けた取り組みで認定される「プラス」制度


「プラス」認定を受けるための具体的な取り組みは、以下1~4です。

1.次の(1)及び(2)の制度を設けていること

(1)不妊治療のための休暇制度(不妊治療を含む多様な目的で利用することができる休暇制度及び利用目的を限定しない休暇制度を含み、年次有給休暇を除く)

(2)不妊治療のために利用することができる次のうちのいずれかの制度
ア 半日又は時間単位の年次有給休暇
イ 所定外労働の制限制度
ウ 時差出勤制度
エ フレックスタイム制
オ 短時間勤務制度
カ テレワーク


2.不妊治療と仕事との両立の推進に関する方針を示し、講じている措置の内容とともに労働者に周知していること

3.不妊治療と仕事との両立に関する研修その他の不妊治療と仕事との両立に関する労働者の理解を促進するための取組を実施していること

4.不妊治療を受ける労働者からの不妊治療と仕事との両立に関する相談に応じるための両立支援担当者を選任し、労働者に周知していること

出典:厚生労働省「不妊治療と仕事との両立のために」

不妊治療を受けたことがある夫婦の割合は「5.5組に1組」。労働者の「34.7%」が仕事との両立困難に

御社では、どのくらいの従業員が不妊治療を受けているでしょうか?
このような質問をしても、おそらく「分からない」もしくは「そういった話は聞かないから、うちの会社にはいないんじゃないか」等のご回答が多いのではないかと思います。それもそのはず、不妊治療は当事者にとってプライベートかつデリケートな問題ですから、なかなか職場でオープンにできるテーマではないからです。

しかしながら、政府の統計を見ると、2015年時点で「不妊を心配したことがある夫婦」は全体の35.0%(約2.9組に1組の割合)、「実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦」は18.2%(約5.5組に1組の割合)であることが明らかになっています。さらに、不妊治療をしたことがある(または予定している)労働者の中で、「仕事との両立ができなかった(または両立できない)」とした人の割合は「34.7%」となっています。

実際にそういった話題が挙がっていないとしても、不妊治療と仕事の両立で悩む従業員はいずれの職場にも一定数いると考える必要がありそうです。

参考:厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック(本人、職場の上司、同僚向け)」

まずは企業に求められる支援内容、他社事例を知ることから

「プラス」認定を受けるかどうかは別として、企業において従業員の不妊治療と仕事の両立支援に目を向けることは、人材確保・定着の観点から不可欠と言えます。

とはいえ、「どんなことに取り組めば良いか分からない」という現場においては、厚生労働省が公開する企業向けの制度導入マニュアル「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」を参考にされると良いでしょう。不妊治療の基本的な流れや当事者が職場に求める支援、他社事例等が紹介されており、ご一読いただくことで御社としての取り組みを検討しやすくなります。

一例として、以下は「仕事と不妊治療を両立する上での会社への希望」として挙げられた項目です。

前述の「プラス」認定を受けるための取り組みと重複するものが目立ちますね。会社として無理のない、実現可能な範囲で取り組みを検討してまいりましょう。

まとめ

今号では、くるみん認定に追加して受けることができる「プラス」認定について解説しました。本文と重複しますが、不妊に悩む夫婦の割合に鑑みれば、不妊治療と仕事との両立支援はいずれの職場においても目を向けられるべきテーマです。

2022年4月からはちょうど不妊治療の保険適用認定がスタートし、御社の従業員の中にも不妊治療に取り組む方が増えてくるかもしれません。「プラス」認定を受ける、受けないに関わらず、御社にできる取り組みから進めてまいりましょう!

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