産前産後休業時・育児休業時の社会保険料の免除及びその手続き
労務


令和4年10月より育児休業の取得に関する法改正が行われます。それと同時に、社会保険料の免除に関しても改正が行われます。
しかし、まずは現在の社会保険料免除の仕組みをきちんと理解しておくことが大切です。
ここでは、現在の社会保険料免除について説明したいと思います。
なお、産前産後休業時、育児休業時とも考え方は共通なので、どちらかにしか適用されない事項以外は、共通のものとして記載いたします。

この記事の目次

1.何月分から何月分までが免除になるか

社会保険料免除の開始月は産前産後休業や育児休業を始めた月なので、それほど難しくありません。
6月15日に休業を開始したら、6月分の社会保険料から免除になります。
それに対して、終了月は少し難しいです。法律の条文上では「(休業が)終了する日の翌日が属する月の前月」となっていますが、休業の終了する日が月末かそうでないかで分けて考えた方がわかりやすいです。
休業の終了日が月末ならその月分までが免除になりますし、そうでなければ前月分までが免除になります。

6月30日に休業を終了する場合、6月分まで社会保険料が免除になりますし、6月29日に休業を終了する場合、5月分まで社会保険料が免除になります。

このように、休業の終了日によって何月分まで免除されるかが異なりますので、その点は注意が必要です。


2.免除申請のタイミングはいつか

こちらは、産前産後休業の場合も育児休業の場合も、それぞれの休業期間中に行う必要があります。また、産前産後休業に引き続いて育児休業を取得する場合でも、両方の休業についてそれぞれ免除申請をする必要があります。

ただ、産前産後休業の社会保険料免除申請は子の出産直後がよいでしょう。
子の出産前に免除申請を行うことはできますが、出産予定日と出産日が異なった場合、免除申請の変更届を提出する必要があるからです。

育児休業については何月何日から何月何日までというのがあらかじめ決まっているケースが多いので、育児休業が始まったら速やかに申請を行うのが望ましいです。


3.給与計算の処理はどうすればよいか

こちらについては、免除開始月分からの社会保険料控除をストップする必要があります。
6月分の社会保険料が免除で、その分を7月支払の給与から控除する場合、7月支払の給与からは社会保険料を控除しないようにする必要があります。
そうなると、「産前休業を早めに取得した場合、出産後まで社会保険料の免除申請を待っていると、年金事務所は休業取得者が社会保険料免除対象者だとわからず、その人の分の社会保険料を含んだ額で会社に請求が来てしまう」と心配される方もいらっしゃると思いますが、こちらについては心配ご無用です。

後から免除申請を年金事務所に提出して社会保険料の免除対象であることが判明した時点で、年金事務所は取りすぎた分の保険料を次に会社が支払うべき社会保険料の一部に充当し、その分減額して請求します。

ですから、社会保険料免除対象者の社会保険料については、前述のように、免除開始月分から控除をしないようにすれば問題ありません。そして、職場復帰した際は免除終了月の翌月分から再び社会保険料を控除するようにします。

4.結びに

最初に記載しましたように、10月からの育児休業に関する法改正と同時に、社会保険料免除についても法改正が実施されます。 もちろん法改正への対応は重要です。
しかし、現行の制度に対してスムーズに対応できているかを確認するのも大切です。法改正で制度が複雑になりますので、現行の制度にきちんと対応できるようにしたうえで法改正への対応を考えた方がよいでしょう。

社会保険料の免除に関する法改正を好機ととらえ、一度自分の会社が現行の制度に対してスムーズに対応できているか見直してみるのもよいのではないでしょうか。

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