【2023年3月末まで延長】ワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認に係る特例について
労務


健康保険の被扶養者・国民年金の第3号被保険者として認定を受ける際、被扶養者は今後1年間に見込まれる収入について一定の要件を満たす必要があります。この点、新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認に際しては、一時的な収入増に鑑み、特例措置が講じられていることをご存知でしょうか?

この記事の目次

まずは復習!被扶養者となる者の収入の基準

健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者の認定には「主として被保険者の収入により生計を維持されていること」が求められ、これを証明するための要件のひとつに「年間収入」があります。

収入の基準は、原則として以下の通りです。

認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合


認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であること

認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合


認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合

参考:協会けんぽ「被扶養者とは?」

新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例とは?

コロナ禍においては、業務上必要な対応により突発的な収入増加が生じたために、本来であれば被扶養者となる方が原則的な収入要件から外れてしまうケースが多発しています。こうした状況に鑑み、政府は、医療職の被扶養者がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入については、被扶養者の収入確認の際の年間収入に算定しないものとしました。

特例の対象者

ワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)

対象となる収入

2021年4月から2023年3月末までのワクチン接種業務に対する給与収入

特例を受けるための手続き

ワクチン接種業務を行う事業者・雇用主(市(区)町村、医療機関等)から「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事した際の収入に係る申立書」の発行を受け、被扶養者の認定及び資格確認の際に、加入する保険者に提出

参考:厚生労働省「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例の延長について」

ワクチン接種業務以外でも幅広く考慮されます

なお、ここで解説した特例は「ワクチン接種業務に従事した医療職の被扶養者」のみを対象とするものですが、これにとどまらず、新型コロナウイルス感染症への対応等のための残業等により収入の増加が生じた際には、直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、総合的に将来収入の見込みが判断されます。

参考:厚生労働省「被扶養者の収入の確認における留意点について」(令和3年2月12日事務連絡)

ただし、このような特例は健康保険等の被扶養者認定及び国民年金の第3号被保険者の認定のみに係る取扱いとなり、税や会社の扶養手当(家族手当)についても同様に適用されるものではありませんので注意しましょう。

まとめ

企業において、11月はちょうど「被扶養者資格再確認」の実施時期です。協会けんぽから送られてきた「被扶養者状況リスト」を元に被扶養者要件の確認を進める際には、今号で解説した特例措置を考慮し、適切な対応ができるようにしましょう!

関連:協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和4年度被扶養者資格再確認について」」

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