徒歩、自転車、タクシー利用は通勤交通費として非課税にできるか。
労務

突然ですが、どのような方法で毎日通勤されているでしょうか。一般的には都市部だと「電車、バス」、郊外だと「自動車」というケースが多く、通勤交通費の規定もそれを前提に作成されていることが多いです。

上記以外の通勤方法を取られると、給与担当者としてはどのように処理すれば良いのか困ってしまうのではないでしょうか。

そこで、一般的な「電車・バス」と「自動車」の通勤交通費の処理は他の方におまかせをして、ここでは、それ以外の方法による通勤時の交通費処理について、解説をいたします。

この記事の目次

1.徒歩通勤に交通費支給するなら、課税処理。

まずは徒歩による通勤に交通費を支給するケースです。わざわざ会社の近くに住んでもらえる恩恵として、それを支給している会社は少なくありません。

この場合、距離に関係なく課税対象となります。元々所得税法において非課税になる通勤交通費とは「交通機関の利用または自動車等の交通用具を使用して通勤する者」に対する支給であると定められています。

徒歩ということは、通勤に交通用具等を使っているわけではありませんので、その支給を非課税にすることはできません。

2.自転車による通勤は自動車と同じく、距離によって非課税限度額が変わる。

最近はエコの観点から自転車通勤を推奨する会社が増えてきました。時代に合った選択肢とも言えるでしょう。では、この自転車通勤は上記1の「自動車等の交通用具の利用」にあたるのでしょうか。

結論としては非課税となる自動車等の交通用具の利用にあたります。扱いは自動車と同じです。1ヶ月当たりの非課税限度額は以下の通りです。

片道の通勤距離 1ヶ月当たりの非課税限度額
2km未満 (全額課税)
2km以上10km未満 4,200円
10km以上15km未満 7,100円
15km以上25km未満 12,900円
25km以上35km未満 18,700円
35km以上45km未満 24,400円
45km以上55km未満 28,000円
55km以上 31,600円

マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額の表
(令和4年11月現在)

なお、この距離は「通勤経路に沿った長さ」とされているので、直線距離ではなく、実際に利用する道路の長さです。距離は本人に申告させるのが一般的ですが、Googleマップなどのインターネット上のツールを使って、その距離を確認しておくことをお勧めします。

この表を見ると、自転車通勤でも片道通勤距離が2km未満であれば、通勤交通費は全額課税ということになります。

3.タクシーも非課税の通勤交通費として認められるケースがある。

一般的に言えばタクシーで通勤するというのも贅沢なように聞こえますが、その仕事によっては、タクシーを使った通勤がもっとも適しているケースもあります。

例えば、深夜早朝の出勤退勤で電車が動いていないケースや、郊外の従業員がマイカーなど他の通勤手段を持たないケースなどが挙げられます。

・タクシー利用が最も経済的で合理性があること
・タクシー利用が実費相当額程度と認められること

上記条件に当てはまれば、非課税限度額の月15万円以内を通勤交通費として非課税で処理することが可能です。

まとめ

●徒歩通勤者への通勤交通費支給は全額課税。
●自転車通勤者への通勤交通費支給は、自動車と非課税限度額と同じ扱い。
●タクシーの通勤も合理性があれば、月15万円を限度に、通勤交通費として非課税とすることができる。


いかがでしたでしょうか。これから通勤交通費の規定を作る方にとっては、様々なケースを想定しなければいけません。少しでも参考になれば幸いです。

また、通勤交通費は法律で支給が義務付けられているものでもありません。よって、当然のように無制限に支給するのも考えものです。通勤交通費もまた給与項目の一つですので、会社が「なぜそれを支給するのか」というメッセージであるとご認識ください。

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