日本語が話せる外国人材 受け入れメリットと課題
労務

みなさん、こんにちは

私は社会保険労務士として、中小企業向けの採用支援を行っている三浦真由美といいます。
SHARESの弊社ページでも自己紹介を詳しく載せていますのでぜひご覧ください。

今回は、日本の大学・専門学校卒業の留学生を積極的に受け入れ、事業の発展に至った外国人材の成功事例をご紹介します。

地方都市にある不動産会社を経営しているA社長は、自社の賃貸部門について悩んでいました。借り手が激減
しかし、あることに着目したことで業績はV字回復を遂げることができました。

それは、外国人が部屋を借りることの、日本人大家さんの不安を払拭すること
今回は、外国人材をうまく活用し自社のピンチをチャンスに変えた企業の事例です。

この記事の目次

外国人材の採用の目的

福岡県福岡市にある不動産売買・賃貸およびその仲介を担っている従業員数約400名の不動産会社

人口減少、労働力も減っていることに危機感を持ち、新しい人材確保として外国人留学生の新卒採用に挑戦。

外国人材の取り組み内容は
・外国人が部屋を借りるにあたり日本人オーナーの理解を得やすくするため、家賃の振込や地域のゴミの出し方などの規則についての生活情報を、外国人の入居者に説明・指導できるよう外国人留学生を採用。

新たな外国人社員のおかげで、「留学生が部屋を借りるなら〇〇不動産」というポジショニングを確立することに成功。

現在は13名の外国人が社員として活躍している。

相乗効果

さて、賃貸業以外にもこの会社における、外国人材の貢献はまだまだあります。

・「外国人プロジェクト」として、外国人留学生が多い学校への訪問、海外の不動産セミナーや国内の外国人向けのセミナーを実施

・生きた外国語を話す人がいるグローバルな職場は日本人社員の刺激となり、全社員が違和感なく外国人とコミュニケーションができ異文化を受け入れることで、互いが尊重できる社風が確立 働く心理的安定性がある職場となり離職防止に役立った。

ここで、外国人材の採用や登用で得られるメリットを4つの視点で分類しました。

1.事業の海外展開・新規顧客の獲得
2.外国人材の目線での商品開発・サービス提供
3.新たなビジネスモデルの構築
4.社員の意識改革


こちらの企業の場合、始まりは③の新たなビジネスモデルの構築に成功
サイドストーリーとして②と④のメリットが享受できた。
というところでしょうか。

外国人材受け入れの課題

しかし、メリットばかりではありません、取り組むべき点もあります。

外国人材の求人から採用までの手続きの煩雑さ

手続きは主に在留資格の申請


留学生を新卒で採用する場合は、在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」という就労が認められる資格に変更する必要があります。この申請手続きには雇用主の十分なサポートが必要。
(行政書士さんにお願いすることをオススメします)

公正な採用計画

外国人労働者の雇用に関するルールに抵触しない


国籍で差別しない公平な採用選考を行うことなど、応募者本人の適性や能力を公正に評価することが必要です。
例えば、在留資格を確認することが必要ですが面接段階では口頭でとお願いしております。理由は在留カードを見せてもらう行為は国籍など適正能力に関係ない事項を把握することにつながり、結果として応募機会を不当に閉じる恐れがあります。在留カードは採用内定後に提示してもらうようにしましょう。

文化・生活・言葉・仕事観などの違いをどう受け入れるか

相互理解のため日本人社員の研修も


外国人社員への研修、日本人社員の意識改革研修と早い段階で行うことが、離職防止となり、外国人材採用の成功となります。
研修内容は、外国人材採用の背景と目的。外国人材の役割、受け入れ予定部署。受け入れの心構え。あとは日本人社員の不安や疑問の洗い出しから解消まで。

まとめ

・外国人材の採用計画(目的・役割を明確にする)
・採用方法・手段・手続き(求人方法・書類選考、面接の注意点・労働条件の明示など)
・外国人材の受入体制を整える(外国人材、日本人への研修・決め事)


弊事務所では、外国人材の採用と定着を得意とした社会保険労務士によるご相談も受け付けております。
SHARESのお問い合わせより、ご連絡お待ちしております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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