高校生アルバイトに「親の同意」は必須?法的観点から考察
労務


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高校生アルバイトを雇い入れる際の第一関門といえば、「親の同意」です。労働者本人は働きたいと考えていても、「同意を得るのが難しい」と保護者のサインをもらえないケースもあるのではないでしょうか。そのような時、御社ではどのように対応されているでしょうか?
今号では、そもそも未成年者がアルバイトをする際、「親の同意」は必要なのかについて、法的観点から考えてみましょう。

労基法上、「親の同意」を求める規定はない

未成年の労働契約締結について、労働基準法上の主な規定は以下の通りです。労働契約締結時の「親の同意」に関わる規定はありません。むしろ、「未成年者の労働契約」「未成年者の賃金」については、親権者及び後見人による過度な介入を排除しています。

最低年齢:使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了しない児童を労働者として使用してはならない。但し、児童の健康及び福祉に有害でなく、軽易な業務である場合には、所轄労働基準監督署長の許可を受けて、満13歳以上の児童を使用することができる(なお、映画、演劇の事業については、満13歳未満の児童でも使用は可能)。



年少者の証明:使用者は、満18歳未満の年少者を使用する場合には、その者の年齢を証明する証明書(年齢証明書)を事業場に備え付けなければならない。年齢証明書としては、住民票や住民票記載事項の証明書等でよいが、本籍地の記載は不要である。



未成年者の労働契約:親権者、後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならない。



年少者の労働時間及び休日:満18歳未満の年少者に変形労働時間制は適用できない。



参考:e-Gov法令検索「労働基準法」

未成年の労働契約締結では、民法上「法定代理人の同意」が必要

一方で、民法第5条では「未成年者の法律行為」について、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」としています。労働契約締結も法律行為のひとつのため、使用者側は未成年者と労働契約を締結する場合には、親権者の同意を得なければならないということになります。
ちなみに、同条第2項では、「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」としています。この取消しは、未成年者本人・法定代理人・継承人(相続人など)が行える行為です。親は、未成年が締結した労働契約の内容が未成年者にとって不利と認められるときは、将来に向かって労働契約を解除する権限を有します。

参考:e-Gov法令検索「民法」

「18歳成人」により、18歳以上の学生への対応は各社様々

ところで2022年4月以降、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことは、皆さんにとっても記憶に新しいテーマだと思います。これにより、高校生であっても18歳の方を雇い入れる際に「保護者の同意」を不要とする企業が出てきているようです。今春から「未成年者」の年齢が17歳以下となったため、2022年3月31日以前に未成年とされていた18歳、19歳の方への対応を、2022年4月以降変える動きが出ているようです。ただし、18歳、19歳ですとまだ学生の方も多いですから、引き続き保護者の同意を求めるとする企業も少なくありません。

まとめ

働き手不足を背景に、現場においてはより一層人材確保が困難になる中、「高校生アルバイトの活用」は採用戦略上重要なポイントとなるケースも少なくありません。ただし、未成年者の雇い入れに際し、保護者の同意を得ないまま働かせることは民法に反する行為である上に、労使トラブルの火種ともなるため厳禁です。未成年者を雇用する際、使用者は法令をしっかりと把握し、遵守する必要があります。

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