平成29年4月新設 ! 育児・介護離職者の再雇用で受給可能「両立支援助成金(再雇用者評価処遇コース)」
労務

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制度拡充は進めど、「働く側の意識」による離職はなおも多い


今秋施行される改正育児・介護休業法への対応に関する話題は、SHARES LAB 『育休最長「2年」は今年10月から ! 改正育児・介護休業法まとめ』 (4月24日付)にてご紹介した通りです。

ここ数年の法改正により、結婚や出産、育児や介護を理由とする離職は少しずつ減少傾向にあるものの、企業によっては依然として育児離職、介護離職が問題となっているケースも多いようです。とはいえ、会社としてさらに環境を整え、働きやすさを追求することで離職に歯止めをかけることができるのかといえば、やはり限界があるでしょう。妊娠や出産、育児、介護といったライフイベントを実際に経験することで、働く側の意識が変わり、結果として退職を選択する例も少なくありません。

例えば、内閣府が公表した調査結果によると「末子妊娠時の女性労働者の退職理由」として最も多いのが、「家事・育児に専念するため、自発的に辞めた」の項目です。

参照 : 内閣府「女性の継続就業率 指標⑪ - 内閣府」PDF6ページ目

毎月安定した収入を得てくれるパートナーを有する女性であれば、そもそも妊娠・出産・育児と仕事の両立にこだわりを感じない方もいると思います。また、いざ選択を迫られた段階で、仕事を続けるよりも家族のために尽くしたい気持ちが高まることもあるでしょう。この場合、会社がしっかり両立支援制度を整えていたとしても、当の労働者本人に離職を思いとどまらせることは難しいかもしれません。

そしてもちろん、本人に働きたい気持ちはあっても、どうしても両立が難しく離職せざるを得ない状況もあるでしょう。会社としてのサポートにも限界がありますから、こうした場合にも一定数の離職はやむを得ません。


企業が注目すべき、「両立」と「復帰」の2観点


それでは、現状、結婚や妊娠、出産、育児、もしくは介護を理由とした離職数の多さが課題となっている会社においては、いかにして状況改善に努めるべきなのでしょうか ?

その答えは、「両立できる環境作り」と共に、「離職者が復帰できる体制作り」にも前向きに取り組むことにあります。

前者については改正法対応として既に具体的な検討に入られている企業が多いかもしれませんが、一方で後者の観点は意外な盲点と言えるのではないでしょうか ?

再雇用制度を整えることで、企業においては「経験のない新人を雇用し、一から教育する手間とコストを省くことができる」、そして働く側にとっては「状況が変わり、働きたくなったタイミングで働ける」「以前のキャリアを活かして働ける」「ブランクを理由に再就職に苦戦する必要がなくなる」といったメリットが期待できます。

このたび平成29年4月より、両立支援助成金に「再雇用者評価処遇コース」が新設され、企業における再雇用制度導入に役立てることができる様になっています。

さっそく、本助成金の概要を確認してみましょう。


新設「両立支援助成金(再雇用者評価処遇コース)」概要


「両立支援助成金(再雇用者評価処遇コース)」は、政府主導の働き方改革における“多様な人材の活躍”の一環として今年度新規に創設された助成金です。妊娠、出産、育児、介護のいずれかの理由により退職した者に対する再雇用制度を導入し、希望者を6ヵ月以上雇用した企業に支給されます。

支給要件、支給額は下記の通りです。

<要件>
次の①、②のいずれも満たすことが必要です。
(1) 妊娠、出産、育児または介護を理由とした退職者について、退職前の勤務実績等を評価し、処遇の決定に反映させることを明記した再雇用制度を導入する
(2) 上記制度に基づき、離職後1年以上経過している対象労働者を再雇用し、無期雇用者として一定期間継続雇用する

※当初、有期契約労働者として再雇用した場合も、無期雇用に切り替えた上で一定期間継続雇用すれば対象となります


<支給額>
中小企業

中小企業以下
再雇用1人目
38万円<48万円>
28.5万円<36万円>
再雇用2~5人目
28.5万円<36万円>
19万円<24万円>


参照 : 厚生労働省「平成29年度 両立支援等助成金のご案内」


まとめ


妊娠、出産、育児、介護は、いずれもその人の考え方や生き方に影響を与える重要なライフイベントです。しかも、これらはすべての労働者に起こり得ます。

企業において、働く人はいわば「人財」。使い捨ての存在であるべきではありません。だからこそ、労使の関係は「雇用関係が終了すればそれまで」ではなく、たとえ一度は離れても、双方のタイミングで再びタッグを組める良きパートナーでありたいものです。

新設助成金の活用を視野に、御社の再雇用制度作りを検討されてみてはいかがでしょうか ? 制度導入のご相談、諸規程の整備、そして助成金申請代行は、専門家である社会保険労務士にお任せください !

参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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