- 平成29年度「労働保険年度更新の申告書の書き方」が公開されました
- 「確定保険料・一般拠出金 算定基礎賃金集計表」のチェック項目
- 「申告書・領収済通知書 申告書・領収済通知書(納付書)」のチェック項目
- まとめ
平成29年度「労働保険年度更新の申告書の書き方」が公開されました
6月を目前に控え、企業では労働保険年度更新に向けた準備が進められている頃でしょうか ?
平成29年度の申告・納付期限は6月1日(木)から7月10日(月)となっています。6月下旬には社会保険算定基礎届の作成時期を迎えることから、早めの準備が肝心です。
「労働保険年度更新の申告書の書き方」は、各会社宛てに郵送される申告書に同封されてまいりますが、一足お先に厚生労働省のサイトから閲覧することもできます。
参照 : 厚生労働省「労働保険徴収関係リーフレット一覧」-「労働保険の年度更新」
平成29年度の年度更新に関わる主な注意点は、既に5月15日付でアップした 『法改正対応 ! 平成29年度年度更新 2つのチェックポイント』に挙げた通りですが、今号では今一度、申告書の各チェック項目(継続事業用) をご紹介しておくことにいたしましょう。昨年度と重複する事項がほとんどですが、申告書提出前の最終確認にご活用ください。
「確定保険料・一般拠出金 算定基礎賃金集計表」のチェック項目
□ アルバイト・パートタイマー等の臨時労働者の賃金を含めていますか
→雇用保険は被保険者のみ対象です。この機会に、アルバイト・パートタイマーの雇用保険加入手続きのチェックを行いましょう
(保険料を納付しても、資格取得届をハローワークに提出していない場合、加入していないことになります)
□ 代表者や役員(被保険者とならない)の賃金を除いていますか
→代表者や役員報酬のみが支払われている役員は対象外です
兼務役員については、役員報酬以外の労働者としての賃金部分のみ算定賃金に含めます
□ 雇用保険の免除対象高年齢労働者の年齢に誤りはありませんか
→免除対象者
平成 28年度(確定)免除対象 昭和 27年 4 月 1 日以前に生まれた人
平成 29年度(概算)免除対象 昭和 28年 4 月 1 日以前に生まれた人
□ 平成 29 年 1 月 1 日から雇用保険の適用拡大対象となった、 65 歳以上の方の加入漏れ、算定基礎額への計上漏れはありませんか ?
参照 : SHARES LAB『法改正対応 ! 平成29年度年度更新 2つのチェックポイント』「雇用保険の適用拡大とは」
□ 賞与、その他の臨時の賃金を含めていますか
□ 通勤費(非課税分、現物支給の定期代等を含む)を含めていますか
「申告書・領収済通知書 申告書・領収済通知書(納付書)」のチェック項目
万が一、誤りがある場合には労働局にお問い合わせください
・労働保険番号
・業種番号
→「各種区分」欄の 4 ケタの「業種」番号の上 2 ケタをもとに労災保険率表で確認
・労災保険料率
→業種に対応した料率(メリット制適用の場合「労災保険率決定通知書」と同じ料率)
・雇用保険料率
→平成 29年度より雇用保険料率が改定されています
・申告済概算保険料額 (昨年度の概算保険料額と同じか)
・領収済通知書(納付書)の住所・氏名等
【注意】
事業主の氏名(法人の名称)、事業主の住所(本店所在地)、事業の名称・所在地・事業の種類(業種)等に変更があった場合は、「名称、所在地等変更届(様式第2号)」を所轄の労働基準監督署に提出する必要があります
→常時使用労働者数
平成28年度の各月末(賃金締切日がある場合は月末直前の賃金締切日)の使用労働者数の合計÷12
→雇用保険被保険者数・免除対象高年齢労働者数
平成28年度の各月の被保険者数の合計÷12
□ 賃金総額(⑧⑫欄)は千円未満切り捨て、保険料額・拠出金額(⑩⑭欄)は一円未満切り捨てになっていますか
□ 一般拠出金の拠出金算定基礎額(⑧(ヘ))は、労災保険の確定保険料算定基礎額(⑧(ロ))と同額になっていますか
□ 概算保険料の保険料算定基礎額の見込み額(⑫)は、確定保険料の保険料算定基礎額(⑧)と一致していますか
→平成29年度賃金総額の見込み額が「前年度と比較し 2 倍を上回る場合」または「 2 分の 1 を下回る場合」は、その見込み額を記入します
□ 概算保険料を延納する場合、基準額に誤りはありませんか
→概算保険料総額が 40 万円以上(労災保険又は雇用保険のどちらか一方のみ成立している場合20万円以上)の場合、3 回に分けて納付できます
□ 延納の場合、申請欄(⑰)に納付回数(「3」)を記入していますか
□ 概算保険料を延納する場合、3 で割った余りを第1 期分に加算していますか(㉒(イ))
□ 「法人番号」欄(㉛欄)を記入していますか(空欄の場合)
→個人事業主は 13 桁すべてに「0」を記入します
□ 「事業主」欄に、記名押印又は署名をしていますか
□ 領収済通知書(納付書)の納付額の前に、「円(Yの横棒は一本)」マークを記入していますか
→一般的な「¥」ではなく、Yの横棒は一本です(『申告書の書き方』の冊子の表紙に記号の記載があります)
□ 申告書の内容に誤りはありませんか
→領収済通知書の納付額の誤りは訂正できません。新しいものを入手します
→領収済通知書以外の箇所の誤りは、訂正後の数字がわかるように訂正すれば問題ありません。訂正印は不要です
まとめ
年に一度やってくる、労働保険の年度更新。つい煩わしく感じてしまうかもしれませんが、年間の賃金支払いの状況や労働保険の加入状況を確認する良い機会と考え、前向きに取り組めるのがベストです。
年度更新への取り組みをスムーズに進めるための各種サポートを活用し、余裕をもって準備を進める様にしましょう。
◆ 年度更新申告書計算支援ツール
◆ 労働保険年度更新 コールセンター
0120-335-546
もちろん、社会保険労務士へのご相談・ご依頼もお待ちしています !
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ