平成29年度注意点チェック ! 厚生年金保険・健康保険 算定基礎届(定時決定)
労務


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平成29年度「算定基礎届の記入・提出ガイドブック」が公開されました


6~7月の人事・総務は大忙し ! ということで、労働保険の年度更新に引き続き、厚生年金保険・健康保険の算定基礎届におけるチェックポイントについても正しくおさえてまいりましょう。

平成29年度の主な改正点は、昨年10月に社会保険の適用拡大となったパートタイム労働者等の取扱いに関してとなっています。

既に先日、年金事務所より平成29年度の「算定基礎届の記入・提出ガイドブック」が公開されています。まずはこちらに目を通し、改めて以下に挙げる注意点を確認していきましょう。

参照 : 日本年金機構「算定基礎届の記入・提出ガイドブック(平成29年度)


「短時間労働者」「短時間就労者」の区別に注意


公開されたガイドブックにおいて、注意すべきは「短時間労働者」「短時間就労者」の区別でしょう。「短時間労働者」の文言は、社会保険の適用拡大に伴い、ガイドブック上では今年度新たに登場したキーワードです。

「短時間労働者」と「短時間就労者」の違いを確認しておきましょう。

■ 短時間労働者
特定適用事業所(※)に勤務するパートタイマー等のうち、
一般社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満で、
下記の4要件を全て満たす方が該当になります。
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと

※特定適用事業所・・・法人事業所では、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12 ヵ月のうち、6ヵ月以上500 人を超えることが見込まれる場合に「特定適用事業所」に該当します

参照 : 日本年金機構「短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大が始まります

■ 短時間就労者
1日または1週間の労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が、
通常の労働者の4分の3以上である労働者

つまり、平成28年10月の適用拡大によって新たに社会保険の加入対象となったパートタイマー等を「短時間労働者」、従来から社会保険の適用対象であったパートタイマー等を「短時間就労者」と表現していることになります。


支払基礎日数に「11日」以上の区分が追加されました


ご存じの通り、従来の算定基礎届では、4月、5月、6月の3ヵ月間の内、原則「支払基礎日数が17日以上の月」を算定対象としていました。ただし、パートタイマー等については例外的に、3ヵ月間とも17日未満であった場合には「15日以上の月」を対象として平均値を算出する取扱いをしていましたね。

このたび、新たに所定労働日数が一般社員の4分の3に満たない「短時間労働者」が社会保険の適用となったことを受け、支払基礎日数に「11日」以上の区分が加わりましたので、注意が必要です。この「11日」を基準にするのはあくまで特定適用事業所の「短時間労働者」についてですので、特定適用事業所以外の会社では間違いのないよう処理を進めましょう。

パートタイマー等についての具体的な記載方法は、リーフレット7~9ページに紹介されています。

参照 : 日本年金機構「算定基礎届の記入・提出ガイドブック(平成29年度)


まとめ



今号では、社会保険の適用拡大に伴う算定基礎届作成時の変更点についてご紹介しました。もっとも、今回お話しした内容について、直接的に影響を受けるのは500人超規模の特定適用事業所であるため、中小企業の事業主様、ご担当者様にとってはさほど重要と感じられない話題であったかもしれません。

しかしながら、対象とならなかった500名以下の企業についても、政府は「平成31年9月30日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずる」ことを明言しており、決して他人事ではありません。

「うちには関係ない」というスタンスではなく、ぜひ関心をもって今後の動向を見守りたいものですね。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参照 : SHARES 社会保険労務士 丸山博美のページ

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